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2024年06月03日

ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物

 ブルーベリーやクランベリーなどのベリー類に含まれるポリフェノールなどが、糖尿病や肥満、心血管疾患などの予防・改善に役立つだけでなく、腸内の有用なビフィズス菌を増やし、腸内環境も改善するという研究が発表された。

 ミントの香気成分であるメントールから、抗肥満作用もあわせもつ、さらに抗炎症作用の強い化合物を開発したという研究も発表された。

 植物に含まれる天然物化合物であるフラボノイドやアルカロイド、テルペノイドなどは、さまざまな生理活性を有することから、がん・高⾎圧・糖尿病・肥満の予防や免疫力の向上などの効果が期待されている。

ベリー類の天然成分が腸内環境を改善 糖尿病や肥満などを予防・改善

 ブルーベリーやクランベリーなどのベリー類に含まれるポリフェノールやオリゴ糖が、糖尿病や肥満、心血管疾患などの予防・改善に役立つだけでなく、腸内の有用なビフィズス菌を増やし、腸内環境も改善するという研究が発表された。

 研究は、カナダのラヴァル大学栄養機能食品研究所(INAF)によるもの。ブルーベリーやクランベリーをわずか4日間食べるだけで、効果を期待できるとしている。

 「全粒穀物や野菜に含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌のエサになることが知られていますが、クランベリーを食べると、少ない量であっても効果をえられやすいことが示されました」と、同研究所のイヴ デジャルダン教授は言う。

 研究グループは、40人の健康な人を対象にランダム化比較試験を行った。参加者の半数に4日間、朝と夕方にクランベリーの抽出物を摂取してもらい、血液や尿・便などの検査を行った。

 その結果、クランベリー抽出物を摂取したグループは、腸内で善玉菌が増え炎症が減るなど、有益な変化が起きていることが分かった。

 このうち善玉菌として知られるアッカーマンシア ムシニフィラは、肥満や糖尿病との関連が指摘されており、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなり血糖管理が難しくなっている人の腸内では少ないという報告がある。

超加工食品やジャンクフードは腸内環境を悪化させるおそれが

 「高カロリーの超加工食品やジャンクフードを食べすぎる食事スタイルは、腸内細菌叢(腸内フローラ)を不健康にし、腸の粘膜の炎症を引き起こすだけでなく、細菌毒素などから体を守るうえで重要な役割を果たす腸管バリアの働きを損ないやすくします」と、デジャルダン教授は言う。

 腸管バリアが正常に働かなくなると、病原因子として知られる腸内細菌やリポ多糖類(LPS)が体内に入り込み、炎症を引き起こし、糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患のリスクが高まると考えられている。

 「ブルーベリーやクランベリーなどを食べる、バランスの良い食事スタイルにより、アッカーマンシア ムシニフィラなどの有用菌を刺激し、腸内フローラを改善することを期待できます」と、デジャルダン教授は述べている。

 「炎症経路が変化し、糖尿病や肥満などの慢性疾患の予後を改善できる可能性があります」としている。

メントールから抗肥満・抗炎症の作用の強い化合物を開発

植物に含まれる天然成分に期待

 ミントの香気成分であるメントールは、抗炎症薬として古くから用いられており、冷感・鎮痛・抗肥満の効果をもち、食品や医薬品など、幅広い用途で使われている。

 そのメントールから、抗肥満作用もあわせもつ、さらに抗炎症作用の強い化合物を開発したと、東京理科大学が発表した。

 メントールは、炎症性サイトカインの産生を抑制することで、抗炎症効果を発揮するとみられている。さらに、ヒスタミンの放出を抑制することも分かっており、抗炎症剤や抗アレルギー剤として活用されている。

 植物に含まれる天然物化合物であるフラボノイドやアルカロイド、テルペノイドなどは、さまざまな生理活性を有することから、医学・香料・栄養補助食品などさまざまな分野で活用されており、がん・高⾎圧・糖尿病・肥満の予防や免疫力の向上などの効果が期待されている。

メタボや糖尿病に対する効果も

 研究グループは今回、メントールにアミノ酸であるバリン・イソロイシンを結合したメンチルエステルを開発し、その抗炎症・抗肥満作用を調べた。

 その結果、メントールにアミノ酸を結合させることで、よりも強い抗炎症作用や抗肥満作用のある誘導体化合物を開発するのに成功した。

 このメントール・MV・MIを加えた大豆油を、大腸炎を誘発したマウスに1日1回経口投与したところ、体重の減少が顕著に軽減され、大腸炎の重症度を示すスコアの改善や、萎縮性大腸炎の緩和、大腸の縮小がみられた。

 天然物質そのものの利用に加えて、天然物質の誘導体をつくることで、その作用をより高めるというアプローチは、さまざまな物質で行なわれている。

 研究は、東京理科大学先進工学部生命システム工学科の有村源一郎教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Immunology」にオンライン掲載された。

 「この化合物は、メタボリックシンドロームがきっかけとなる2型糖尿病や高血圧などの生活習慣病、アレルギー症状にも効果があることが期待されます」と、研究者は述べている。

Cranberry extracts could boost microbiota and counter cardiometabolic diseases (ラヴァル大学 2024年5月1日)
Short term supplementation with cranberry extract modulates gut microbiota in human and displays a bifidogenic effect (npj Biofilms and Microbiomes 2024年3月6日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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