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2012年05月02日

メタボ対策にも「スローカロリー」を [特定保健指導リソースガイド]

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糖尿病ネットワーク
 特定健診・保健指導に携わる医療・保健指導スタッフ向けの総合情報サイト「特定健診・特定保健指導リソースガイド」では、5月より「スローカロリーの情報ファイル」コーナーをオープンいたしました。

 近年、「糖質ゼロ」や「カロリーオフ」などと表示された食品を見ることが増え、“糖質・カロリー=太る”といったイメージを抱いている人が少なくないのが現状です。しかし、糖質自体は欠かすことのできないエネルギー源であり、単に量を制限すればよいというものでもありません。メタボや糖尿病の食事指導では、カロリーや糖質の制限ばかりに目が向きがちですが、食事の満足感と血糖コントロールの両立を考えると、糖質を量だけでなく“質”で選ぶ視点も必要ではないかというところから “スローカロリー”という考え方が生まれました。

  “スローカロリー”とは、糖質の小腸での消化・吸収速度がゆっくりであることを言います。カロリー(エネルギー)は摂りつつ、消化・吸収速度を緩やかにするパラチノース等のある種の糖質で得られる働きは、様々な研究で明らかになっています。

 まず、食後の血糖値の急激な上昇が抑制されます。食後高血糖の抑制は、HbA1cの改善や、良好な血糖コントロールにつながるので、血糖変動の管理に注意が必要な糖尿病患者さんにとって重要なポイントです。また、糖質がゆっくり消化吸収されることで、インスリンの分泌量が適度になります。インスリンの過剰分泌は、内臓脂肪蓄積の一因となりますので、スローカロリーな食生活を続けることで、内臓脂肪の減少も期待できると言われています。さらに、ゆっくり消化吸収されることで満腹ホルモンの分泌量が多くなり、満腹感の持続効果が得られます。満腹感が持続すると過食を防ぐことになるので、肥満の防止にもつながると考えられます。

 “スローカロリー”の活用について情報を集積した「スローカロリーの情報ファイル」では、糖質本来の役割を再確認するとともに、食事療法への活用を探っていきます。今後は、糖尿病領域のみならず、メタボ対策としての応用も期待されています。

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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