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2012年03月19日
米を食べると糖尿病リスク上昇 「精白米は良くない」と研究者
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「精白米を多量に摂取するアジア地域で、2型糖尿病のリスクが高まる可能性があることが分かった」と研究を主導したハーバード公衆衛生大学院Qi Sun氏は指摘する。
研究チームは、アジアでは日本と中国の2ヵ国、欧米では米国とオーストラリアの2ヵ国で行われた計4件の研究を分析した。
のべ35万人以上を対象とした4〜25年間にわたる追跡調査で、1万3,000人以上が2型糖尿病を発病していることを確かめた。
日本をはじめとするアジア諸国で精白米を食べる食生活が定着しており、たとえば中国人は平均して1日に4杯の米を食べるが、欧米では1杯未満だという。
研究は、米を多く食べる人では2型糖尿病リスクが55%高まったが、週に平均5杯と米の摂取量の少ない欧米ではリスク上昇率は12%にとどまるという結果になった。
米の構成は、「胚芽」・「ぬか層」・「胚乳」からできている。玄米から「ぬか層」を取り除くと「胚芽精米」になり、胚芽精米から「胚芽」を取り除くと「精白米」になる。
精白米は世界で最もよく食べられている米の形態で、成分のほとんどは吸収の早い澱粉だ。一方、収穫した米からもみがらだけを除いた玄米には、食物繊維やマグネシウム、ビタミンB群・E群・ミネラルなどが豊富に含まれる。
「グリセミック指数(GI値)」は、炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値。GI値が高いほど、炭水化物の吸収が早く、食後血糖値が上昇しやすい。
歯ごたえがあり消化吸収の遅い玄米は精白米に比べGI値が低く、相対的に食後高血糖になりにくいと考えられる。GI値は2型糖尿病のなりやすさとも関連している。
精製された小麦粉を用いた白パンを多くとる欧米人でも同じような傾向がみられる。「精白米や精製粉の摂取量が多いと、2型糖尿病の発症リスクが上昇するおそれがある。アジアと欧米の食習慣の違いを考慮に入れても、この傾向はあきらかだ」とSun氏は言う。
「米以外の食品についても注意するべきであり、特定の食品だけではなく、食生活全般を調べることが肝要だ」としながらも、「精白米ではなく、精製されていない玄米や全粒粉の摂取を増やすことで、糖尿病の脅威を減らせるだろう」と指摘している。
White rice increases risk of type 2 diabetes(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル 2012年3月15日)
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