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2008年01月23日
糖尿病の人に骨減少が多い 血糖コントロールと食事で対策
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加齢やカルシウムの摂取不足などから骨代謝のバランスが崩れると、骨粗鬆症になりやすくなる。糖尿病の人では、さらにインスリン作用の不足などの原因が加わってくるので対策が必要だ。
糖尿病の人に骨減少が多い
骨粗鬆症は、骨の量が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる状態をいう。糖尿病の人が血糖コントロールが良くないと骨粗鬆症になりやすい。
骨粗鬆症のリスク 骨粗鬆症の危険因子は、高齢であること、女性(特に閉経後)、カルシウムの摂取が不足している、運動不足、やせている、胃腸が悪い、糖尿病、甲状腺機能亢進症などがある。 女性はもともと男性に比べて骨量が少なく、閉経後は骨吸収抑制作用のある女性ホルモンが減り、骨量が急速に減りやすい。
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インスリンは、ブドウ糖の利用を高め血糖値を下げるだけでない。インスリン作用が不足すると、次のような困ったことが起きてくる。
- 新しい骨を作りだす骨芽細胞が増えにくくなり、骨形成が低下する。
- 高血糖になると体内の浸透圧が高まり、血液量が増え尿が多くなる。尿とともに排泄されるカルシウムが増え、カルシウム不足になる。マグネシウムも不足しやすくなり、カルシウム不足がさらに促進する。
- カルシウムを腸から吸収するときにに活性型ビタミンDが必要となる。活性型ビタミンDは腎臓で作られる。高血糖が続くと活性型ビタミンDが不足し、カルシウムが吸収されにくくなる。
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対策は血糖コントロールと食事の工夫
骨量の減少を防ぐため、まず重要なのは血糖コントロールを良好にすること。小児・若年期に1型糖尿病を発症した人では、十分な骨の成長のためにも、適切なインスリン療法が大切となさらに、腎機能に問題がなければ、カルシウムやビタミンD、Kを含んだ食品を積極的にとることが勧められている。
カルシウム
日本人のカルシウム平均摂取量は所要量の1日600mgを満たしていない。骨量が減少している人は、できるだけ多くとるようにしたい。牛乳、小魚、緑葉野菜、大豆類などにたくさん含まれている。
ビタミンD、K
カルシウム吸収を増やす活性型ビタミンDの元となる、ビタミンDも十分にとりたい。骨形成を促進するビタミンKも大切。ビタミンDは魚(脂身の多い魚)に多く、ビタミンKは小松菜などの緑葉野菜のほか、納豆にはとくに多く含まれている。
その他にも、ナトリウム(塩分)を摂りすぎると尿中に排泄されるカルシウムが増えるので、塩分を控え目にしたほうが良い。また、適度な運動は骨に刺激を与え、血行も良くなり骨形成を盛んにする。
気になる情報
カルシウムの食事で足りていない分をサプリメントで補っている人も多い。
しかし、更年期以降の女性では、カルシウムのサプリメントの過剰な摂取は、逆に心筋梗塞などのリスクを高めるおそれがあるという研究結果が海外で発表された。サプリメントのみに頼りカルシウムをとりすぎるのもよくないようだ。
この研究はオークランド大学(ニュージーランド)の研究者らによるもので、医学誌「British Medical Journal」に発表された。
対象となったのは、55歳以上の健康な女性およそ1,500人。カルシウムのサプリメントをとってもらうグループと、疑似薬のサプリメントをとってもらうグループに分け、5年間、追跡して調査した。
その結果、心臓発作の症状が、サプリメントをとった60人、76件で確かめられた。一方、疑似薬をとった人では、50人、54件にとどまった。
研究者らは、カルシウムの摂取により骨密度が高くなるには違いなく、今後さらに詳しい研究が必要だとしている。
British Medical Journal, Jan 2008: 10.1136/bmj.39440.525752.
カルシウムの食事で足りていない分をサプリメントで補っている人も多い。
しかし、更年期以降の女性では、カルシウムのサプリメントの過剰な摂取は、逆に心筋梗塞などのリスクを高めるおそれがあるという研究結果が海外で発表された。サプリメントのみに頼りカルシウムをとりすぎるのもよくないようだ。
この研究はオークランド大学(ニュージーランド)の研究者らによるもので、医学誌「British Medical Journal」に発表された。
対象となったのは、55歳以上の健康な女性およそ1,500人。カルシウムのサプリメントをとってもらうグループと、疑似薬のサプリメントをとってもらうグループに分け、5年間、追跡して調査した。
その結果、心臓発作の症状が、サプリメントをとった60人、76件で確かめられた。一方、疑似薬をとった人では、50人、54件にとどまった。
研究者らは、カルシウムの摂取により骨密度が高くなるには違いなく、今後さらに詳しい研究が必要だとしている。
British Medical Journal, Jan 2008: 10.1136/bmj.39440.525752.
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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