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2007年02月22日
2型糖尿病発症予防のための介入試験(J-DOIT1)
2型糖尿病の発症リスクが高い人に、電話やメールで、食事や運動の生活習慣改善を指導し、糖尿病の発症を抑える効果を調べる「2型糖尿病発症予防のための介入試験」が今春から始められる。
パソコン、携帯電話など情報ツールを活用し、生活習慣改善を指導
この研究は、健診で発見した2型糖尿病の発症リスクの高い約3500人を対象に「糖尿病予防支援」を行い、糖尿病の発症を抑えるためにどんな方法がもっとも有効かを調べることが目的となる。得られた結果は2008年度から始まる新しい健康診断制度などに活用される。
1日1万歩以上の歩行や適正体重の維持、1日350グラムの野菜を摂取し食物繊維を十分にとるなどの目標を設定し、研究の参加者に体重や運動のデータを毎日送信してもらい、医師から目標達成のためのアドバイスや指導を1年間受けた場合と、何も受けない場合での糖尿病の発症率を追跡調査し比較検討する。
糖尿病を予防するための目標
1. 運動の習慣として行う
1日1万歩、あるいは、早歩きのような中強度の運動を週60分以上 2. 適正体重を維持する
BMI(肥満指数)が25以上の肥満者は5%の減量
標準体重(BMIが25未満)の人は3%の減量 3. 食物繊維を十分に摂る
1日5皿以上(野菜350g以上) 4. 飲酒は適度に
日本酒換算1日1合以下
糖尿病の発症予防を目標とした研究はこれまでも国内外で行われてきたが、医師などが参加者に対面して指導やアドバイスをする方法がほとんどだった。働き盛りの世代の人を対象とした対面型の介入であると「忙しい」などの理由で実施が難しいケースが多いが、パ1日1万歩、あるいは、早歩きのような中強度の運動を週60分以上 2. 適正体重を維持する
BMI(肥満指数)が25以上の肥満者は5%の減量
標準体重(BMIが25未満)の人は3%の減量 3. 食物繊維を十分に摂る
1日5皿以上(野菜350g以上) 4. 飲酒は適度に
日本酒換算1日1合以下
生活習慣を徹底的に見直すことで、糖尿病発症は減らせる
肥満のある人は体重を減らす、運動を定期的に行うなど生活習慣を改善することで糖尿病の発症が減ることが、国内外で行われた研究で示されており、多くは食事と運動の改善に積極的に取り組むことが効果的であることがあきらかにされている。
1993年から7年間行われた「フィンランド糖尿病予防研究(DPS)」では、フィンランドで耐糖能異常と肥満のある中年男女を約520人を2つのグループに分け、第1のグループには積極的に食事指導や運動指導を行い生活習慣の改善を働きかけ、健康的な生活を続けてもらい、第2のグループには一般的な情報提供のみを行った。
その結果、生活習慣を改善したグループでは体重の減少し4年後までの糖尿病の発症が58%抑制された。さらに平均3年間の追跡調査が2004年末まで行ったところ、糖尿病の発症率が36%下がっており、終了から3年後も抑制効果が続いたことが示された。
フィンランド糖尿病予防研究(DPS)
米国の約3800人を対象に2型糖尿病の予防を目指し実施された大規模介入研究「米国糖尿病予\\\\\\\\\\\防研究(DPP)」では、食事や運動の生活習慣を改善するグループと、糖尿病治療薬(メトホルミン)を服用するグループ、偽薬(ブラセボ)を服用するグループに分けた比較検討された。
生活習慣を改善したグループは、1日30分以上の運動と低脂肪食を中心とした食事療法によって体重を5〜7%減量することを目標とした指導が行われた。その結果、メトホルミンを服用したグループよりも糖尿病発症が抑えられた。
生活習慣の改善 | 情報のみ | |
体重の変化 | 4.2kg±5.1kg減 | 0.8±3.7kg減 |
糖尿病発症率 | 11% | 23% |
米国糖尿病予防研究(DPP)
日本でも「日本糖尿病予防プログラム(JDPP)」が、全国の保健所、保健センターなどで行われている。耐糖能異常のある約300人を、平均で2.6年追跡調査したところ、生活習慣を積極的に改善した人では糖尿病発症率は約50%低下した。
国際協力医学研究振興財団
New England Journal of Medicine 2001; 344: 1343-1350.生活習慣の改善 | 治療薬を服用 | 偽薬(対照) | |
糖尿病発症率 | 14% | 22% | 29% |
Lancet 2006; 368: 1673-1679.
New England Journal of Medicine 2002; 346: 393-403.
Diabetes Journal 2005; 33: 126-129.
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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