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2006年08月30日

テレビ視聴時間が長くなるほど運動量は減少

キーワード
運動療法
 1日にテレビやテレビゲームを利用する時間に長い人は、運動量が少ない傾向があり、肥満や2型糖尿病の増加の一因になっている―こんな報告が米国と英国でそれぞれ発表された。

 米国で発表された研究では、テレビを多く視聴する習慣のある人は、視聴時間が長くなるほど運動量が低下する傾向があることが明らかになった。調査結果は医学誌「American Journal of Public Health」オンライン版に掲載された。

 研究を行ったハーバード大学公衆衛生学部の研究者らは、ボストンの低所得層向けの住宅に住む非白人486人を対象に、1日あたり1万歩の歩行をしてもらうことを目標に歩数計を持ち歩いてもらうとともに、テレビの視聴時間などの生活習慣について調査した。

 参加者の中にはテレビを全く見ない人もいたが、1日平均3.6時間テレビを視聴しており、視聴時間と歩数の減少には明確な関連がみられた。平均すると、1日の視聴時間が1時間増えるたびに歩数が144歩減り、3.6時間であると520歩減少した。

 1日1万歩の目標を達成できた人の割合も低下した。視聴時間が1時間の人では全く見ない人に比べて達成率が16%低下し、3.6時間になると47%低下した。

 また、英国では、子供のメディアの利用と生活習慣の関連を調べた研究が発表された。英国栄養士会が13〜19歳の子供3,114名を対象に行った調査で、テレビ、パソコン、携帯ゲーム機、インターネット、DVDなどの視聴に、平均して毎日約4.8時間を費やしているという。

 約7割の子供が運動不足であり、その半分以上が余暇の時間を利用して自発的に運動しようという意欲をもっていないことも分かった。

 米国の2型糖尿病の発症率は、過去30年間に約2倍に増加したと指摘されている。要因として、食事で脂肪を過度に摂取していることと運動不足が挙げられている。英国でも、10年間に過体重や肥満の子供がほぼ倍増し、肥満や2型糖尿病などの増加の要因になっていると考えられている。

 日本でも、2003年の厚労省の調査では習慣として運動を行っている人は男性 29.3%、女性 24.1%で、目標値である男性39%、女性35%を下回っており、平均歩行数も男性 7,575歩、女性 6,821歩で目標に達していない。

Television Viewing and Pedometer-Determined Physical Activity Among Multiethnic Residents of Low-Income Housing
American Journal of Public Health, September 2006, Vol 96 No. 9, 1681-1685

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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