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2006年09月04日
日本の内臓肥満研究 国際学会の最高賞に
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- メタボリックシンドローム
松澤佑次・日本肥満学会理事長(住友病院院長)が、オーストラリア・シドニーで開会された第10回国際肥満学会で最高賞のヴィレンドルフ賞を受賞した。ヴィレンドルフ賞は肥満研究での優れた成果に対して4年に1回贈られるもので今回が10回目。
また、優れた基礎医学の研究に贈られるヴェルトハイマー賞を、寒川賢治・国立循環器病センター副所長が、成長ホルモンの分泌を刺激する生理作用をもつホルモン「グレリン」の研究で受賞した。日本人の受賞はいずれも初めて。
また、優れた基礎医学の研究に贈られるヴェルトハイマー賞を、寒川賢治・国立循環器病センター副所長が、成長ホルモンの分泌を刺激する生理作用をもつホルモン「グレリン」の研究で受賞した。日本人の受賞はいずれも初めて。
メタボリックシンドロームと密接に関連するアディポネクチン
今回のヴィレンドルフ賞の対象となったのは、冠状動脈性心疾患(CHD)、インスリン抵抗性、高血圧症などに関連の深い「アディポネクチン」の発見。
アディポネクチンの研究は、1980年代初期に松澤教授と大阪大学の研究グループが内臓脂肪の断面積を詳しく調べるためにCT(コンピュータ断層撮影)で撮影したことから始まった。見かけではそれほど太っていなくても糖尿病などを発症する患者がいるのは、腸など内臓の周囲に蓄積した脂肪が影響していると考えられた。
脂肪組織は単に脂肪を蓄えるための貯蔵所ではないと研究チームは気付いた。1990年代の初期までに、内臓脂肪とCHDの関連を分子的メカニズムから解き明かす研究が始められ、内臓脂肪から、糖代謝や脂質代謝に影響するさまざまな生理活性物質を血中に放出していることが明らかになり、「アディポサイトカイン」と名付けられた。
アディポネクチンは標準的な体格の人の血液中には多く存在するが、内臓脂肪が増えると濃度が低下することが確かめられ、アディポネクチンに動脈硬化や炎症を抑え、糖尿病を減らす特性があることが突き止められた。
この研究の成果が、メタボリックシンドロームの判定基準などに結びついている。
●詳しくは第10回国際肥満学会のサイトへ(英文)World Leading Scientist - Professor Yuji Matsuzawa Recognised with Willendorf Award(PDFファイル)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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