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2024年06月10日
スマホで写真を撮ると食事改善がうまくいく 糖尿病の治療に活用 食事の振り返りができる

スマホなどのカメラ機能を利用して、食事の写真を撮ると、食生活を改善するきっかけになるという研究が発表された。
食事の写真を撮ることで、食事の振り返りができ、自分が何を食べているかをより正確に把握できるようになるという。
「多くの人は、自分が何を食べたかを思い出すのに苦労しますが、食事の写真を撮っておくと、食事の評価が正確になることが分かりました。スマホで食事の写真を撮ることはそれほど負担にもなりません」と、研究者は述べている。
糖尿病の治療に役立てられるアプリも開発されており、効果的に利用すると、1~2ヵ月の血糖値を反映するHbA1cなどが改善するといった成果が報告されている。
スマホで食事の写真を撮って食生活を改善
糖尿病や肥満のある人にとって、食事の管理は重要だ。食事療法の基本は「過食を避け、バランス良く、規則正しく食べる」ということ。 しかし、毎日の食事を管理するのは大変だ。仕事や生活などで忙しくて、調理などに時間をかけられず、外食やコンビニですませている人も多い。 そんなときはスマホなどのカメラ機能を利用して、食事の写真を撮ると、食生活を改善するきっかけになるという研究を、オーストラリアのカーティン大学が発表した。食事の写真を撮ることで、食事の振り返りができ、自分が何を食べているかをより正確に把握できるようになるという。 撮った食事の写真をもとに、食事指導に役立てたり、ソーシャルメディアで共有するなどして食事改善に取り組む仲間と交流すると、より大きな効果を期待できるとしている。 研究グループは、参加者に過去24時間に自分が何を食べたかを思い出してもらうために、テクノロジーを活用したさまざまな方法を比較した。 その結果、モバイルアプリを利用して食事の写真を撮ったグループは、アプリを利用しないでただ食べたものを覚えていたグループに比べて、栄養摂取についてはるかに正確に把握できていることが示された。食事を記録できるモバイルアプリを利用し食事を管理
「食事指導や保健指導などで、対象者が何を食べているかを正確に知ることは、食事改善をより効果的に促進するために役立ちます」と、同大学健康科学部のクレア ホイットン氏は言う。 「多くの人は、自分が何を食べたかを思い出すのに苦労しますが、食事の写真を撮っておくと、食事の評価が正確になることが分かりました。スマホで食事の写真を撮ることはそれほど負担にもなりません」。 「今回の研究は、食事を記録できるモバイルアプリを使用した、これまでで最大規模の研究です。集団がどのような食事をしているかを把握するために、アプリの使用は有用である可能性があります」としている。 研究グループは今回、152人の参加者を対象に、別々の3日間に、朝食、昼食、夕食をとるときに、摂取した食品と飲料の重量測定を行った。24時間の食事について無作為に3つの方法で、カロリーや糖質やタンパク質などの摂取量について推定した。 アプリを利用して食事の写真を撮ったグループでは、栄養士がそれをもとに食事について分析した。参加者の55%が女性で、平均年齢は32歳、体格指数(BMI)の平均は26だった。 その結果、実際の食事のカロリーと栄養の摂取量との平均誤差は、従来の24時間思い出し法では5.4%だったが、モバイルアプリを使用すると1.3%に改善することが分かった。糖尿病の治療に役立てられるアプリを開発
糖尿病の治療に役立てられるアプリも開発されている。米国では、糖尿病の人向けのアプリがすでに承認されており、効果的に利用すると、1~2ヵ月の血糖値を反映するHbA1cなどが改善するといった成果が報告されている。
とくにインスリンポンプやCGM(持続血糖モニター)といったウェアラブルデバイスや、スマホアプリとの連携が可能なスマートインスリンペンなどは、デジタルとの親和性が高いので、積極的な医療ITの利用が期待されている。
日本でも、2型糖尿病の人や糖尿病予備群を対象とした、スマホアプリが開発され、臨床研究も行われている。
東京大学などによる、糖尿病の人向けのスマホアプリを使用した試験では、アプリを使いこなしている人は、HbA1cと空腹時血糖値が低下し、体重管理も改善するなどの成果が出ている。
このアプリは、食事や運動を記録できるのをはじめとして、血糖値・血圧・体重・歩数なども保存でき、健康改善に役立てることができるようになっている。
また、IoT活用による糖尿病の重症化予防を促進するために実施された「PRISM‑J」研究では、長期のIoT活用により、患者によって血糖の改善効果が期待される結果が出ている。
2型糖尿病の人を対象に、健診データとウェアラブル端末から届く毎日の生活習慣情報(活動量・体重体組成・血圧など)をもとに、スマホアプリからのメッセージを受けることで、行動変容やHbA1cなど、糖尿病の改善を促すというもの。
Accuracy of energy and nutrient intake estimation versus observed intake using 4 technology-assisted dietary assessment methods: a randomized crossover feeding study (American Journal of Clinical Nutrition 2024年5月6日)
DialBetics: A Novel Smartphone-based Self-management Support System for Type 2 Diabetes Patients (Journal of Diabetes Science and Technology 2014年3月13日)
Internet of things-based approach for glycemic control in people with type 2 diabetes: A randomized controlled trial (Journal of Diabetes Investigation 2024年5月7日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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