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2006年06月01日

2型糖尿病の治療実態調査「DAWN JAPAN」調査 患者の半数が「インスリンをもっと早く始めれば良かった」

 DAWN JAPAN研究会(代表世話人:岩本安彦)は、インスリン導入時の心理的障壁について総合的に調査した日本ではじめての科学的な実態調査である「DAWN JAPAN調査」を実施し、調査の結果の一部を5月26日に第49回日本糖尿病学会年次学術集会で発表した。
インスリン療法を開始した患者の半数が「もっと早く始めていれば良かった」
 インスリン治療は、糖尿病の人の血糖管理を良好にするための効果的な方法だ。しかし、インスリン治療を行うのが適切とされた患者であっても、さまざまな理由から、インスリン治療の開始が遅れるケースは少なくない。

 そこで、糖尿病患者のインスリン治療に対する心理的障壁について調べ、心理的・社会的支援を進めていくことを目的に、「DAWN」研究(Diabetes Attitudes, Wishes, & Needs study)が実施されている。このほど、2004年~2005年に日本国内で実施された「DAWN JAPAN調査」の結果が公表された。

 同調査では、医師と患者の双方を対象に、2型糖尿病患者の診療実態やインスリン治療の導入での主治医と患者とのコミュニケーションの実態を明らかにし、インスリン治療開始の障壁になるものを軽減すること目標としている。

 その結果、患者がインスリン療法を受容できない理由を医師が正確に把握・理解していない可能性が示された一方で、患者の側も治療についての理解が十分でなかったり、抵抗感をもっていることが分かり、双方の認識に一致しない点があることが治療の妨げになっていることが示された。

 インスリン注射についての調査では、「他人に知られるのが嫌」「他人と違うことをするのが嫌」「人前で注射を打つのは恥ずかしい」「友達づきあいがしにくくなる」などの設問で、また、インスリンに関する不安については、「低血糖が怖い」「家族に心配をかける」「何か副作用があると思う」などの設問で、医師と患者のあいだに認識の差があり、医師は患者の不安感を過小評価している傾向があることが示唆された。

 一方で、インスリン療法を実際に開始した患者では、インスリン自己注射の実施に関する不安感や、インスリン治療に対する否定的な感情は有意に改善し、49.2%が「より早く始めれば良かった」と回答しており、患者がもつさまざまな不安感を特定した上でコミュニケーションをはかることができれば、適切な時期にインスリン療法を開始できる可能性があることが示された。

DAWN2 (ノボ ノルディスク ファーマ)

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Impact of patient attitudes and beliefs to insulin therapy upon initiation, and their attitudinal changes after initiation: the DAWN Japan study (Current Medical Research and Opinion 2016年2月15日)
Differences in physician and patient perceptions about insulin therapy for management of type 2 diabetes: the DAWN Japan study (Current Medical Research and Opinion 2013年11月5日)
An exploration of barriers to insulin initiation for physicians in Japan: findings from the Diabetes Attitudes, Wishes And Needs (DAWN) JAPAN study (PLOS ONE 2012年6月14日)
[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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