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2006年06月01日
メタボリックシンドローム以外も保健指導の対象に
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2008年度から医療保険者に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診・保健指導の標準プログラムを義務づけることを検討している厚生労働省「標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」の健診分科会が5月26日に開かれ、プログラム案が了承された。今秋を目途に、標準プログラムに基づくモデル事業を数都道府県で実施する予定。
プログラムの目的は、生活習慣病の有病者や予備群を早期に見つけ適切に保健指導を行うことで、そのためにはメタボリックシンドロームの判定基準に適合しない場合でも、生活習慣改善の必要があれば保健指導を行うのが望ましい。そこで保健指導の対象者をリスク要因の数によってレベル設定する方法が考えられた
ステップ1で、腹囲とBMIから内臓脂肪蓄積のリスクを判定する。
ステップ2で、検査結果や問診時の質問票により、追加リスクを算定する。
これらの結果に基づき、
ステップ3で、保健指導の対象者を3つの支援レベルに分類する。
※内臓脂肪蓄積のリスクを基本に、心疾患等のリスク要因の数を加えて判定する。内蔵脂肪症候群の判定項目以外の既存の関連リスクも考慮する。 (2) 生活習慣改善の必要性を判断するための「質問票」から、生活習慣改善の必要性(点数)を判定する(表2)。 (3) (1)と(2)の結果を組み合わせ、保健指導のレベルを判定する(図1)。
表1 具体的な選定・階層化の方法
ステップ1
腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定する・ 腹囲 M ≧85cm、F≧90cm → (1) ・ 腹囲 M <85cm、F<90cm かつ BMI≧25 → (2) ・ (1)、(2)以外 → (3) ステップ2
検査結果、問診時の質問票より追加リスクをカウントする。(1)〜(3)は内臓脂肪症候群の判定項目、(4)〜(6)はその他の関連リスクとし、(4)〜(6)については(1)〜(3)のリスクが1つ以上の場合にのみカウントする。
ステップ3
ステップ1、2から保健指導支援レベルをグループ分け
(1)の場合(1)〜(6)のリスクのうち 追加リスクが 2以上の対象者は 積極的支援レベル(メタボリックシンドローム基準適合者) Oまたは1の対象者は 動機づけ支援レベル (2)の場合 (1)〜(6)のリスクのうち 追加リスクが 3以上の対象者は 積極的支援レベル 1または2の対象者は 勤機づけ支援レベル 0の対象者は 情報提供レベル (3)の場合 (1)〜(6)のリスクのうち 追加リスクが 4以上の対象者は 積極的支援レベル 1から3の対象者は 動機づけ支援レベル 0の対象者は 情報提供レベル |
表2 生活習慣改善の必要性を判断するための追加の質問票
質問項目 | はい |
| 判定 |
1. 20歳の時の体重から10kg以上増加している |
(1点) |
(0点) | 1点 |
2. 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施 | はい | いいえ |
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3. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施 | はい | いいえ | |
4. 同世代の同性と比較して歩く速度が速い | はい | いいえ | |
5. タバコを吸っている |
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| 1点 |
合 計 | * 点 |
図1 健診結果の支援レベルと質問項目の合計点数による保健指導の判定
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●詳細は厚生労働省のサイトへ(PDFファイル)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所