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2008年09月29日

世界の糖尿病の子供の多くは学校で適切な支援を得られていない ドーン ユース調査

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医療の進歩
 世界で糖尿病の子供たちが学校でさまざまな課題や偏見に直面しているという実態が、日米欧やブラジルなど13ヵ国、9,200人が参加した「DAWN Youth(ドーン ユース)調査」の結果発表であきらかになった。
助けが必要な時に養護教諭や担任教諭からのサポートが得られる
 この調査は、小児思春期糖尿病の患者の心理社会的な側面に焦点をあてて、糖尿病の若者、糖尿病の子供をもつ親や保護者、医療従事者を対象に行ったもの。昨年9月に発表された「糖尿病に関する青少年憲章(Diabetes Youth Charter)」*を受け実施した。

 日本では学校教育法により、養護教諭が学校で児童や生徒の健康管理や保健教育を担っている。欧米にも「スクールナース」と呼ばれる制度があるが、保健室に養護教諭が常駐するシステムは日本独特のもの。

 それによると、小児糖尿病患者について「10人のうち6人は、学校で適切に糖尿病の管理を行っていない」(主治医の回答)、「10人のうち9人は、学校で糖尿病のために助けが必要になってもスクールナースに頼れない」―などがあきらかになった。調査の詳しい内容は11月に発表され、国際糖尿病連合(IDF)の機関誌「Diabetes Voice」に掲載される予定。

 ローマで開催された会見に参加した日本糖尿病協会の小児糖尿病対策委員の内潟安子・東京女子医科大学糖尿病センター教授は、「日本でも課題はありますが、発表された欧州の状況の深刻さにはかなり驚いた」と述べている。内潟教授は、ドーン ユース調査の日本代表として日本での調査に深く関わってきた。

 調査対象となった268人の保護者の7割以上は「糖尿病だからといって子供の学校活動が阻まれたことはない」と答え、8割以上は「助けが必要な時に養護教諭や担任教諭からのサポートが得られる」と答えている。

 ドーン ユースは、特に心理社会的課題の克服に焦点を当て、糖尿病の子供や若者とその家族の生活を改善するために、患者や家族、周囲の人々が意見を述べること、また糖尿病に関する研究や活動を支援することをねらいとして実施されている。デンマークのノボ ノルディスク社、国際糖尿病連合(IDF)、国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)の連携による取り組み。

* 糖尿病に関する青少年憲章(Diabetes Youth Charter)
 糖尿病の疫学、関連する機関や治療のやりかた、心理的また社会経済的な影響など、糖尿病をめぐるさまざまな問題に焦点をあて、最近の若年層糖尿病の傾向を専門的に分析したもの。
 ノボ ノルディスクと国際糖尿病連合(IDF)が、世界の小児糖尿病専門医と協力しながら取り組み作成し、2007年9月に発表した。
 ダイジェスト版をノボ ノルディスク ファーマのサイト「糖尿病コミュニティサイトclub-dm.jp(クラブディーエム)」からみることができる。

糖尿病コミュニティサイトclub-dm.jp(クラブディーエム)
ノボ ノルディスク ファーマ(株)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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