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2024年07月03日
夜に明るい光を浴びると糖尿病リスクが上昇 朝の日光浴で体内時計をリセット 光で概日リズムを調節
夜間に明るすぎる光を浴びるのを避けるのは、2型糖尿病のリスクを減らすためにできる簡単な方法である可能性があるという研究が発表された。
さらに、朝に明るい太陽光を浴びると、体内時計がリセットされ、肥満予防につながることも分かった。
夜に明るい光を長時間浴びると糖尿病リスクが上昇
夜間に明るすぎる光を浴びるのを避けるのは、2型糖尿病のリスクを減らすためにできる簡単な方法である可能性があると、オーストラリアのフリンダース大学が発表した。 ヒトの体には、ほぼ1日の周期で体内環境を調整する「体内時計」の機能がそなわっており、それがホルモンの分泌や代謝、睡眠リズムといった概日リズムを調整している。 体の概日リズムの異常は、睡眠やホルモン分泌などに障害を引き起こし、2型糖尿病や肥満などとも関連していると考えられている。 「夜間に長時間、明るい光を浴びていると、2型糖尿病の発症リスクが高くなることが分かりました」と、同大学公衆衛生学部のアンドリュー フィリップス氏は言う。 「夜間に光にさらされると、概日リズムが乱れ、インスリン分泌やブドウ糖の代謝に影響が生じ、血糖値を調節する体の能力に悪い影響があらわれる可能性があります」としている。夜に強い光を浴びると糖尿病リスクが1.29~1.53倍に上昇
研究グループは今回、英国で実施されている大規模研究であるUKバイオバンクに参加した、平均年齢が62歳の男女8万4,790人のデータと、光センサーで測定した約1,300万時間分のデータを用いて、光への曝露のパターンが糖尿病のリスクにどう影響するかを調査した。 2型糖尿病を発症していない参加者に、光のレベルを追跡できるデバイスを昼夜を問わず1週間、手首に装着してもらい、その後9年間にわたって追跡して、2型糖尿病の発症との関連を調べた。 その結果、夜間に強い光を浴びている人は、そうでない人に比べて、糖尿病リスクが1.29倍から1.53倍に上昇した。 とくに夜の12時30分から朝の6時までのあいだに、強い光にさらされる時間が長いと、2型糖尿病のリスクは高くなった夜に強い照明を浴びると体内時計の働きが乱れる
なぜ、夜に強い照明を浴び続けると糖尿病リスクが上昇するのか、因果関係は不明だが、夜に強い照明を浴び続けると、睡眠に障害があらわれる可能性があることを指摘している。 メラトニンは、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用をするホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれている。 メラトニンの分泌は、主に光によって調節されている。夜中に強い照明を浴び続けると、体内時計の働きが乱れて、メラトニンの分泌が抑えられる。これが睡眠と覚醒のリズムが乱れる原因になると考えられる。 「夜の室内を間接照明にするなどして、明るい光を浴びすぎないようにすることが、糖尿病リスクを減らすための簡単で安価な方法になる可能性があります」と、フィリップス氏は述べている。朝に日光を浴びると肥満対策に
朝に日光を20~30分浴びて体内時計をリセット
朝に日光を20~30分浴びて体内時計をリセット
Personal light exposure patterns and incidence of type 2 diabetes: analysis of 13 million hours of light sensor data and 670,000 person-years of prospective observation (Lancet Regional Health - Europe 2024年6月4日)
Morning Rays Keep Off the Pounds (ノースウェスタン大学 2014年4月2日)
Timing and Intensity of Light Correlate with Body Weight in Adults (PLOS ONE 2014年4月2日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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