ニュース
2024年07月01日
魚を食べると糖尿病リスクは低下 小魚を食べる食事スタイルが寿命を延ばす 魚の油が脂肪燃焼を促進
日本の食事スタイルの特徴のひとつは魚を食べること。魚をよく食べている人は、糖尿病のリスクが低く、心筋梗塞や狭心症などの発症が少ないことが明らかになっている。
さらに、小魚を食べる習慣のある人は、死亡やがんのリスクが大幅に低いことが、日本の8万人超を9年間追跡した調査でも明らかになった。
サバ・イワシ・アジ・ニシンなどの魚油に含まれるEPAが、全身の脂質代謝や筋機能を向上することも新たに分かった。
魚を食べている人は糖尿病リスクが低い
2型糖尿病や肥満、脂質異常症などの原因にはいろいろなものがあり、生まれつきの「遺伝的素因」のように、当人の努力では変えられないものもある。 しかし、糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)のある人でも、毎日の食事を改善することで、糖尿病を予防・改善することができる。最近の研究では、食べ物に含まれる成分により、遺伝子の働き方を変えられることも分かってきた。 40~69歳の日本人5万人を5年間追跡した調査で、脂の多い魚(サケ・アジ・イワシ・サンマ・サバ・タイなど)を食べている人は、糖尿病リスクが低い傾向が示されている。とくに魚介類の摂取が多い男性で、糖尿病の発症リスクは約30%低下した。 40~59歳の日本人4万人を約11年間追跡した大規模な調査でも、魚をよく食べている人は、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが約60%低いことが明らかになっている。 魚を週に1~2回食べるだけでも効果を期待できるが、それ以上食べるとさらに効果を期待できるとしている。小魚を食べる日本の食事スタイルは注目されている
小魚を食べる習慣のある人は、死亡リスクが大幅に低いことが、名古屋大学などが日本の8.1万人を9年間追跡した別の調査でも明らかになった。 小魚に含まれる栄養素や生理活性物質が、死亡リスクの低下に関わっている可能性がある。 日本の食事スタイルの特徴のひとつは魚を食べること。日本人は古来から、シシャモやシラスなどの小魚を食べてきた。こうした小魚は、頭・臓・骨を丸ごと食べられるという特徴があり、ホールフード(素材まるごと食べること)として注目されている。 魚の頭・内臓・骨には、ビタミンAやカルシウムなどの疾病予防に役立つ栄養素が多く含まれている。これらを一度に摂取できる小魚は、不足しがちな栄養素をとれる大切な食材だ。 これまでの研究で、小魚に含まれる栄養素の摂取は、血圧を低下させて動脈硬化を防いだり、がん予防に有用であることが報告されている。魚を食べる習慣が、全死亡、循環器疾患による死亡、がん死亡のリスクを下げる可能性も示されている。小魚を食べている人は死亡とがんのリスクが大幅に低下
毎日の食事に小魚を取り入れることを提案
小魚をたくさん食べる人は、他の魚もたくさん食べる傾向があるため、研究グループは焼き魚、煮魚、刺身など、一般的な魚の摂取頻度を考慮した分析も行ったが、やはり小魚を食べる人は死亡リスクが低いことが示された。 研究は、名古屋大学大学院医学系研究科予防医学分野の笠原千夏氏、田村高志准教授、若井建志教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Public Health Nutrition」に掲載された。 「これまで、小魚の摂取に着目して死亡リスクとの関連を調べたコホート研究はほとんどありませんでした。研究結果は、ふだんの食事に小魚を取り入れることの重要性を示すものです」と、研究者は述べている。魚に含まれる油が脂肪の燃焼を促進 運動にも似た効果が
Intake of Fish and n3 Fatty Acids and Risk of Coronary Heart Disease Among Japanese: The Japan Public Health Center-Based (JPHC) Study Cohort I (Circulation 2006年1月9日)
名古屋大学大学院医学系研究科:予防医学
Association between consumption of small fish and all-cause mortality among Japanese: the Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort Study (Public Health Nutrition 2024年5月3日)
Eicosapentaenoic acid increases proportion of type 1 muscle fibers through PPARδ and AMPK pathways in rats (iScience 2024年6月21日)
[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]
記事の内容(HbA1c表記や医師の所属など)は掲載日時点のものです。 本サイトに掲載されている記事・写真・図表の無断転載を禁じます。 治療や療養についてはかかりつけの医師や医療スタッフにご相談ください。
糖尿病合併症の関連記事
- 透析患者、死亡リスクが低い血液型は?
- 糖尿病患者のBMI、腎機能に影響するのは平均値より変動幅 ~日本人の患者6,700人を対象に検討~
- クロノタイプに合わせた運動で効果がより高まる可能性
- 連続血糖測定、2型糖尿病患者の血糖管理改善に有効
- 肥満は「累積」が重要、BMI単独では心血管リスクと関連せず
- 厚生労働省が糖尿病の普及啓発資材を公開 リーフレット・動画の2形態
- 身体活動の不足が糖尿病の合併症を引き起こす
- タケノコが血糖管理などの健康維持に役立つ可能性――ただし重要な注意事項も
- 無症状でも生じている網膜の変化から糖尿病による視覚障害を予測できる可能性
- ウォーキングや家事がメタボの人の命を救う
