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2024年01月17日

糖尿病から脱出 体重を減らしてもその後にリバウンド 運動をすれば健康的な体重を維持できる

 2型糖尿病や肥満を改善する治療に取り組み、いったん減量に成功しても、長期的には体重がリバウンドしてしまう人が多い。

 減量後に体重がリバウンドして増えると、筋肉が減り、体脂肪が増えやすくなるという調査結果が発表された。

 健康的な体重を維持するために、食事療法だけでなく、運動療法も重要としている。

 減量に成功し、健康的な体重を維持できている人に共通してみられることは、食事管理に加え、ウォーキングなどの運動を続けていることだという。

いったん減量に成功しても体重がリバウンド

 2型糖尿病や肥満を改善する治療に取り組み、いったん減量に成功しても、長期的には体重がリバウンドしてしまう人が多い。

 減量後に体重がリバウンドして増えると、筋肉が減り、体脂肪が増えやすくなるという研究結果を、英国のレスター大学が発表した。

 「2型糖尿病や肥満を改善する治療に取り組み、いったん減量に成功しても、長期的には体重がリバウンドしてしまう人は少なくありません」

 「食事や運動などの生活スタイルを改善する取り組みを止めてしまうと、長期的に体重が増えてしまうことが多くあります」と、同大学生物医学研究センターのトム イェーツ教授は指摘言う。

 「健康的な食事を続け、座ったまま過ごす時間を減らし、運動不足を解消する取り組みは、継続して行う必要があります」としている。

体重がリバウンドすると筋肉が減り体脂肪は増える

 研究グループは、英国で実施された「2型糖尿病からの離脱」試験に参加した、肥満のある2型糖尿病のリスクの高い成人622人を対象に24ヵ月、5%以上の体重減少を目標に治療に取り組んでもらった。

 研究グループは、参加者に食事療法・運動療法に取り組んでもらい、必要に応じて薬物療法を提供した。その結果、およそ70%の人が体重を減らすのに成功し、その後もその体重を維持できた。

 その一方で、いったん体重を減らしたものの、その後にリバウンドして体重を増やした人が5%ほどいた。そうした人は、体脂肪の量が平均して1.7kg増え、除脂肪の量が1.5kg減っていた。これは10年分の加齢に相当するという。

筋肉を減らさないために何が必要?

 「除脂肪量とは、脂肪を含まない体の部分であり、そのなかでもっとも多いのは筋肉です。加齢とともない筋肉は減少していきますが、不健康な食事や運動不足の生活が続くと、筋肉は減りやすくなります」と、イェーツ教授は説明する。

 「除脂肪の減少は、筋力低下やフレイルのリスクを高め、長期的に老化のプロセスを加速させます。健康的な体重を維持しながら、筋肉が減らないようにすることが望まれます」としている。

体重減少を維持するためにウォーキングなどの運動が必要

減量に成功し維持できている人は運動を続けている

 減量に成功し、健康的な体重を維持できている人に共通してみられることは、食事管理に加え、ウォーキングなどの運動を続けていることだという。

 健康的な体重を維持するために、食事療法だけでなく、運動療法も重要としている。これは、米国のコロラド大学による別の研究で示されたもの。

 「多くの人は、体重を減らして、健康的な体重を維持するのに苦心しています。いったん減量に成功しても、その後に体重を増やしてしまう人は多いのです」」と、同大学健康ウェルネスセンターのダニエル オステンドルフ氏は言う。

 「今回の研究で、体重のリバウンドを防ぐのに成功している人は、運動を習慣として続けていることが分かりました」としている。

 健康的な食事にウォーキングなどの運動をする習慣が加わると、エネルギーバランスを良好に維持するのに役立つという。

 「食事にこだわり、カロリー制限や糖質制限に取り組む人は多いのですが、多くは運動をする習慣がともなっていません。運動療法も行わないと、健康指標はなかなか改善しません」としている。

健康的な体重を維持できている人は1日の歩数が多い

 研究グループは、減量に取り組み成功している人、失敗して体重を増やしてしまった人、ずっと標準体重の人の計80人の成人を対象に、身体活動エネルギー消費量や1日の総エネルギー消費量などを比較した

 その結果、減量に成功し健康的な体重を維持できている人は、肥満や過体重の人に比べ、1日のエネルギー消費量が平均して300kcal多く、その多く(180kcal)は運動や身体活動によるものであることが分かった。

 つまり、健康的な体重を維持するために、ウォーキングなどの運動や身体活動によりエネルギー消費量をより多くすることが必要であることが示された。

 実際に、肥満のある人の歩数は6,500歩程度だったが、健康的な体重を維持できている人の1日の平均歩数は9,000歩から1万2,000歩と多かった。

 「運動は、体脂肪の燃焼を高め、さらには糖質の燃焼も促し、食欲を減らすのにも役立ちます。体重管理を成功させ、リバウンドを最小限に抑えるために、運動を続けることが重要です」と、オステンドルフ氏は指摘している。

Weight re-gained after weight loss results in less muscle, more fat, study finds (レスター大学 2023年12月14日)
Impact of weight loss and weight gain trajectories on body composition in a population at high risk of type 2 diabetes: A prospective cohort analysis (Diabetes, Obesity and Metabolism 2023年12月14日)
Exercise Is More Critical Than Diet To Maintain Weight Loss: Physical Activity Helps To Prevent Weight Regain When Previously Overweight (コロラド大学 2019年3月29日)
Physical Activity Energy Expenditure and Total Daily Energy Expenditure in Successful Weight Loss Maintainers (Obesity 2019年2月25日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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