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2023年10月25日

ヨーグルトやチーズなどが糖尿病リスクを減少 ジャンクフードから置き換えると効果 認知機能も上昇

 牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品を摂取している人は、糖尿病リスクが低く、⼼筋梗塞や脳卒中などのリスクも低いことが、内外のさまざまな研究で示されている。

 とくに、ポテトチップスやケーキ、スナック菓子などの高カロリーのジャンクフードを食べるのをやめて、代わりにヨーグルトなどを食べるようにすると、糖尿病リスクの低下を期待できるという。

 チーズを食べる習慣は、認知機能の高いことと関連していることが、日本人を対象とした新しい研究で示された。

ヨーグルトやチーズを食べている人は⼼筋梗塞や脳卒中のリスクが低い

 牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品には、良質なタンパク質、脂肪、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれている。

 これらの乳製品を摂取している人は、⼼筋梗塞や脳卒中などの死亡リスクが低いことが、9万人超の日本人を対象とした大阪大学などの調査で明らかになっている。

 平均19年以上追跡した調査で、乳製品の摂取量の多いグループと少ないグループを比べたところ、男性では、乳製品の摂取量が多いと、⼼筋梗塞などによる死亡リスクが最大で22%低かった。

乳製品が2型糖尿病と高血圧のリスクも低下

 牛乳やヨーグルトなどの乳製品を摂取していると、2型糖尿病・高血圧・肥満・メタボのリスクが低下することは、海外の大規模な調査でも示されている。

 これは、カナダのマクマスター大学などが、21ヵ国の14万人以上を9年以上追跡した調査を解析したもの。牛乳やヨーグルトなどの乳製品をとっている人では、2型糖尿病と高血圧のリスクが低下した。

 乳製品を1日2回以上摂取していると、まったく摂取していない人に比べ、2型糖尿病のリスクは12%、高血圧のリスクは11%、メタボのリスクは23%、それぞれ低かった。

牛乳・チーズ・ヨーグルトの脂肪酸が糖尿病リスクを低下

 米ハーバード公衆衛生大学院などの研究によると、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品に含まれる不飽和脂肪酸が、コレステロール値、インスリン値、インスリン感受性を改善し、炎症も抑えている可能性がある。

 動物性食品に多く含まれる不飽和脂肪酸をとりすぎると、動脈硬化や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが高まるとみられており、食事指導ではそうした食品のとりすぎを控えた方が良いと言われることが多い。

 しかし、牛乳などに含まれる脂肪には、健康を高める働きをするものもあるという。どんな食品も、飲みすぎや食べすぎには注意が必要だが、乳製品を毎日適量とるのが良いことは証明されている。

 「牛乳・チーズ・ヨーグルトなどに含まれる脂肪酸は、2型糖尿病のリスクを低下することが示されました。そうした脂肪酸は、体内で生成できないので、食事で摂取する必要があります」と、同大学院循環器内科のダリウシュ モザファリアン氏らは言う。

 研究は、米国国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)などに支援されて実施されている大規模研究に参加した3,736人の成人を調べたもの。牛乳などに含まれる特定の脂肪酸の血中レベルが高い人は、糖尿病の発症リスクが60%低いという結果になった。

ジャンクフードをヨーグルトに置き換えて糖尿病リスクを低下

 英ケンブリッジ大学の研究では、ヨーグルトを食べる習慣のある人は、2型糖尿病のリスクが最大で28%低いことが示されている。

 研究グループは、英国に在住する3,502人の成人を11年追跡した研究のデータを解析した。その結果、ヨーグルトを食べている人は、2型糖尿病の発症リスクが低いことが分かった。

 とくに、ポテトチップスやケーキ、スナック菓子などの高カロリーの食品を食べるのをやめて、代わりにヨーグルトを食べるようにすると、糖尿病リスクの低下を期待できるという。

 「ヨーグルトは、タンパク質、ビタミンやミネラルなどが含まれているのに加えて、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らし、腸内環境を改善する、プロバイオティクスの効果も期待できます」と、同大学医学研究会議(MRC)疫学ユニットのニタ フォロウヒ氏は指摘する。

チーズを食べている人は認知機能が高い
日本人高齢者を調査

 チーズを食べる習慣は、認知機能の高いことと関連していることが、日本人を対象とした新しい研究で示された。

 研究は、東京都健康長寿医療センター・桜美林大学・明治の研究グループが、東京都板橋区に在住している65歳以上の日本人高齢者1,503人を対象に調査したもの。

 その結果、日常的にチーズを食べている人は、食べていない人に比べ、認知機能テストのスコアが高い傾向が示された。

 さらに、通常の歩行速度が速く、ふくらはぎの周囲径が大きく、血中の善玉コレステロールが高いことなども分かった。これらが、認知機能の低下の起こりにくさと関連している可能性があるとしている。

 とくに高齢者では、タンパク質が不足しがちだ。タンパク質を十分に摂取していないと、筋肉の量や質が低下し、フレイルになりやすくなる。

 フレイルは、加齢にともない、体や心のさまざまな機能の低下が進み、健康障害を起こしやすくなっている状態。

 乳製品・魚・肉・大豆食品はタンパク質の優れた供給源になる。必要なタンパク質やエネルギーが不足しないようにすることが大切だ。

Associations between dairy intake and mortality due to all-cause and cardiovascular disease: the Japan Public Health Center-based prospective study (European Journal of Nutrition 2023年3月21日)
Dairy-rich diet linked to lower risks of diabetes and high blood pressure(BMJ 2020年5月18日)
Association of dairy consumption with metabolic syndrome, hypertension and diabetes in 147 812 individuals from 21 countries(BMJ Open Diabetes Research & Care 2020年5月18日)
Association between Milk Intake and Incident Stroke among Japanese Community Dwellers: The Iwate-KENCO Study(Nutrients 2021年10月25日)
Component in common dairy foods may cut diabetes risk (ハーバード公衆衛生大学院 2010年12月20日)
Trans-Palmitoleic Acid, Metabolic Risk Factors, and New-Onset Diabetes in U.S. Adults: A Cohort Study (Annals of Internal Medicine 2010年12月21日)
Study shows yogurt consumption reduces the risk of type 2 diabetes (Diabetologia 2014年2月5日)
Dietary dairy product intake and incident type 2 diabetes: a prospective study using dietary data from a 7-day food diary (Diabetologia 2014年2月8日)
Inverse Association between Cheese Consumption and Lower Cognitive Function in Japanese Community-Dwelling Older Adults Based on a Cross-Sectional Study (Nutrients 2023年7月18日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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