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2022年03月22日
健康アプリを糖尿病のコントロールに役立てる アプリを利用している糖尿病患者は28%
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- ライフスタイル 医薬品/インスリン 糖尿病の検査(HbA1c 他)

健康・医療アプリのなかには、糖尿病のコントロールに役立つものがあるが、アプリからもっとも恩恵を受ける可能性のある人々が実際には使っていないという調査結果が発表された。
「50歳以上のほとんどの人は、スマホなどのモバイルデバイスを1台以上持っています。健康・医療アプリは、糖尿病の人の健康管理をサポートし、健康状態をチェックし、療養生活を改善するのに役立つ可能性があります」と、研究者は述べている。
健康アプリを使ったことのある人は44%
糖尿病の治療から睡眠の改善まで、毎日の健康管理や療養生活を支援する医療・健康アプリはさまざまなものがあるが、ほとんどの人はそれらを利用していないという調査結果を、米国のミシガン大学医学部が発表した。 糖尿病の専用アプリのなかには、糖尿病の管理に役立つものがあるが、アプリからもっとも恩恵を受ける可能性のある人々が実際には使っていないという。 スマホ向けの健康・医療アプリのなかには、食事の摂取カロリーや運動、血圧値や血糖値を記録して保存し、その情報を使用して目標達成や、糖尿病などの慢性疾患の管理に役立てられるものがある。コミュニケーション機能が付いていて、仲間同士で励ましあうことのできるものもある。 しかし、50~80歳の人の半数近くの44%が、スマホやウェアラブルデバイス、タブレットなどで健康アプリを利用したことがあるものの、アプリを継続して利用している人は半分近くまで減ってしまうことが明らかになった。 アプリの利用を止めてしまった人の理由は、「アプリを使い続けることに興味がなくなった」が多かった。アプリの利用について「考えたこともない」と答えた人も3分の1に上った。健康アプリを利用している糖尿病患者は28%
これはミシガン大学が主導している「健康な加齢についての全国世論調査」で判明したもの。調査は、2021年8月に50~80歳の成人2,110人を対象に、オンラインと電話で実施された。 50~80歳の人のうち、1つ以上の健康アプリを現在、利用しているのは28%で、その目的として、「運動療法」34%、「食事管理」22%、「体重コントロール」20%、「睡眠の改善」17%、「血圧」9%、「メディテーション」8%、「メンタルヘルス・ストレス管理」5%が挙げられた。 アプリを利用している人のうち、医療従事者と情報を共有しているのは4分の1だった。 また、糖尿病のある人のうち、血糖値を記録するためにアプリを利用しているのは28%で、服薬管理のために利用しているのはわずか14%だった。ただし、糖尿病の人の半数近くは、今後これらのアプリを利用することについて興味をもっていることも分かった。 「ヘルスケア・アプリのなかには、糖尿病の人の健康管理をサポートし、健康状態をチェックし、療養生活を改善するのに役立つ可能性があるものがあります」と、ミシガン大学家庭医学部のジェームズ エイケンズ氏とキャロライン リチャードソン氏は言う。
さまざまな用途の健康アプリが出ており、ヘルスケアの向上に利用できる

出典:ミシガン大学、2022年
CGMについて知っている患者は68%
調査では、CGM(持続血糖モニター)についても質問された。CGMは、連続して皮下の間質液のグルコース濃度を測定し、血糖値を推定するデバイス。日本でも、1型糖尿病患者と、血糖コントロールの難しい2型糖尿病患者が利用している。 CGMには、血糖自己測定(SMBG)だけでは発見しにくい、夜間・早朝の低血糖や食後の高血糖、さらには血糖変動などもモニターすることができるという利点がある。CGMの多くは、スマホなどのモバイルデバイスのアプリと連動していて、測定値を自動で入力したり確認することができる。 調査では、CGMを利用している2型糖尿病患者は11%であることが分かった。CGMについて知っている患者は68%で、半数以上がCGMに興味をもっていると答えた。健康アプリの利用にも格差が
最近の調査によると、50~64歳の人の83%、65歳以上の人の61%がスマホを所有しており、各世代の半数近くがタブレットデバイスを所有している。10年前はスマホを所有している人は、50~64歳では34%、65歳以上では13%だったので、スマホやタブレットを利用している人は大幅に増えている。 「50歳以上のほとんどの人は、スマホなどのモバイルデバイスを1台以上持っています。医療関連のアプリを、健康に関連する生活スタイルや行動をサポートし、その状態を管理し、健康状態を改善するのに役立てられる可能性があります」と、同大学老年医学部のパール リー氏は言う。 ただし、そうした健康アプリのセキュリティについて理解してないかったり、不信感を抱いている人は少なくない。また、収入や教育レベル、年齢によってもスマホアプリの利用に差があることも示された。 「収入が1,100万円(10万ドル)を超えている層では、健康アプリの利用率は43%でしたが、350万円(3万ドル)の層では利用率は15%で、3倍近くの差があることが分かりました」と、同大学老年医学部のプレティ マラニ氏は言う。 「ご自分の健康状態が良くないという人はとくに、健康アプリから恩恵を受けられる可能性があるのですが、そうした人ほど実際にはアプリを利用していない傾向がみられます。逆に、健康状態を良好にコントロールできている人は、アプリを良く活用している傾向もみられました。健康アプリの利用についても、格差が生まれています」。 「医療従事者も、健康アプリの適正使用について学び、患者とアプリの利用について話し合うことができるようになることが望まれます」としている。 Health apps could help older adults with anything from sleep to diabetes, but most don't use them (ミシガン大学医学部 2022年2月9日)Mobile Health App Use Among Older Adults (ミシガン大学「健康な加齢についての全国世論調査」) 糖尿病のアプリ・ツール (糖尿病ネットワーク)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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