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2021年08月30日

糖尿病リスクは子供の頃に芽生えている 「座ったままの時間」は有害 立ち上がって運動を

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糖尿病と肥満 糖尿病の予防 運動療法
 テレビ、スマホ、パソコン、ゲームなどの「スクリーンタイム」が長い子供は、身体活動量が少なく、そのためメンタルヘルスにも悪影響が及んでいる可能性がある。
 スクリーンタイムが長い子供は、イライラしたり神経質になったり、睡眠障害、頭痛、腹痛、腰痛などが増える傾向があることが、オーストラリアのクイーンズランド大学が42ヵ国の60万人近くの子供たちを対象とした研究で明らかになった。
 「子供の幸せを願うのなら、テレビやスマホの時間を減らして、運動や身体活動を増やすよう働きかけてほしい」と研究者は述べている。
多くの子供は運動不足で座位時間が長い
 オーストラリアなどのクイーンズランド大学などの研究によると、小児・青年期の子供は世界的に、テレビ、スマホ、パソコン、ゲームなどを操作している時間帯である「スクリーンタイム」が長くなっている傾向がある。

 「子供の身体的健康と精神的健康を守るために、なるべくスクリーンタイムを減らして、運動や身体活動をする時間に置き換えるよう働きかける必要があります」と、同大学健康・リハビリテーション科学部のアサド カーン氏は言う。

 研究によると、スクリーンタイムが青年期の子供のメンタルヘルスに有害な影響をもたらす深刻な影響が出てくるのは、男子の場合は1日4時間以上、女子の場合は2時間以上になった場合だという。

 研究グループは、北米と欧州の42ヵ国の57万7,475人の子供たちを対象とした横断研究のデータを解析した。11歳、13歳、15歳の子供にアンケートを行い、回答を得たうえで、スクリーンタイムや身体活動状況と、生活満足度、メンタルヘルス状態との関連を検討した。

 対象となった子供のスクリーンタイムの平均は1日約6時間で、運動や身体活動を毎日行っていると回答した子供19%のみだった。

 解析した結果、1日のスクリーンタイムが1時間以内であるとメンタルヘルスへの悪影響はみられなかったが、男子で105分、女子で75分を超えると悪影響が出始めることが分かった。さらに、スクリーンタイムが長くなるほど、その影響が強まる傾向がみられた。
スクリーンタイムは2時間以内に 1時間は運動を
 スクリーンタイムが長い子供は、運動・身体活動量が少ない傾向があり、そうした子供は、イライラしたり神経質になったり、睡眠障害、頭痛、腹痛、腰痛があると回答する割合が高かった。

 逆に、運動・身体活動量が多い子供は、メンタルヘルス状態は良好であり、さらにスクリーンタイムが長いことによる悪影響を身体活動により打ち消せる効果もみられた。

 「1日に1時間の身体活動と、2時間以内のスクリーンタイムにより、最適なメンタルヘルスの状態が得られることも分かりました」と、カーン氏は言う。

 これは、1日のスクリーンタイムを最大2時間に制限し、男子と女子の両方で運動・身体活動を1日1時間以上行うことを推奨しているオーストラリアのガイドラインを支持するものだ。

 今回の研究は横断研究のため、メンタルヘルスの悪化が、スクリーンタイムの長さや身体活動量の少なさと直接に関係していることを証明するものではないが、「両者に用量反応の関係がみられており、関連が強いことは確かだ」としている。
コロナ禍で運動不足はより深刻に
 「10代の若者のスクリーンタイムはこの数年で大幅に増加しており、運動や身体活動の不足が子供や若者のあいだでも急速に非常に蔓延しています。過剰なスクリーンタイムは、子供だけでなく大人にとっても不健康です」と、カーン氏は指摘している。

 なお、今回の調査は新型コロナウイルス感染症のパンデミック前に行われたものであり、コロナ禍の現在はより深刻な状況になっている可能性もある。

 「世界的に増加しているメンタルヘルスへの負担を軽減するために、余暇にテレビやスマホなどを操作する時間をなるべく減らして、身体活動や屋外活動を増やすための対策が必要です。家族、コミュニティ、学校が協力して働きかけてほしい」と強調している。

糖尿病のリスクはすでに子供の頃に芽生えている

 人生の早い段階で、体重、コレステロール、血圧を健康に管理することが、成人してからの認知機能の低下を抑制するのに効果的である可能性があることが、フィンランドのトゥルク大学が、3~18歳の子供3,596人を31年間にわたり追跡した研究で明らかになった。

 高血圧や高コレステロール、高血糖などの血管にダメージをある状態は、心臓だけでなく脳の健康にとっても悪影響をもたらす。その影響は、子供の頃にすでにあらわれている。子供の頃に代謝の状態が良くないと、年齢を重ねてから糖尿病を発症するリスクが上昇する。

 研究では、子供の頃に血圧やコレステロール値が高かったり、肥満であった子供は、歳をとるにつれて、記憶力や学習力、情報を処理するための注意力が低下する傾向がみられた。

 とくに、子供の時点で、体重・コレステロール・血圧という3つの心血管リスク因子をすべてもっていた人は、40代に達するまでに、脳の健康に関する指標が低下していた。

 「健康に良い生活スタイルを、これまで考えられていたよりもはるかに早い年齢で身に付ける必要があるかもしれません。成長してから心血管の危険因子が増えるおそれのある子供は、生活スタイルを早期に改善する介入から恩恵を受けられる可能性があります」と、同大学応用循環器医学研究センターのユーソ ハカラ氏は言う。

 米国の運動ガイドラインでは、子供たちに対して、中強度の身体活動を毎日1時間以上行い、週に3回以上は高強度の運動を行い、さらには座ってテレビを見たりスマホを操作するスクリーンタイムを制限することを推奨している。

Excess screen time impacting teen mental health(クイーンズランド大学 2021年8月10日)
Dose-dependent and joint associations between screen time, physical activity, and mental wellbeing in adolescents: an international observational study(Lancet Child and Adolescent Health 2021年8月9日)
Managing children's weight, blood pressure & cholesterol protects brain function mid-life(米国心臓学会 2021年5月10日)
Cardiovascular Risk Factor Trajectories Since Childhood and Cognitive Performance in Midlife: The Cardiovascular Risk in Young Finns Study(Circulation 2021年5月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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