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2020年02月05日
納豆を食べると心筋梗塞などのリスクが低下 糖尿病の食事に「発酵性大豆食品」を活用
豆腐、納豆、枝豆、味噌、しょうゆ、厚揚げ、がんもどき、おから、豆乳など、日本食に欠かせない大豆食品。なかでも納豆・味噌などの「発酵性大豆食品」は健康に良いと注目されている。
発酵性大豆食品の摂取量が多いほど総死亡リスクが低いという研究がこのほど発表された。とくに納豆については、その摂取量が多いほど心筋梗塞などの循環器疾患による死亡リスクが低下するという。
発酵性大豆食品の摂取量が多いほど総死亡リスクが低いという研究がこのほど発表された。とくに納豆については、その摂取量が多いほど心筋梗塞などの循環器疾患による死亡リスクが低下するという。
発酵性大豆食品は栄養成分の消失が少ない
発酵性大豆食品をよく食べている人では、総死亡リスクが低いことが、国立がん研究センターなどが実施している多目的コホート「JPHC研究」で明らかになった。研究成果は医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル(BMJ)」に発表された。
植物性食品の代表ともいえる大豆を食べる食事スタイルは健康的と注目されている。大豆にはタンパク質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンなどのさまざまな栄養成分が含まれる。とくに納豆や味噌といった発酵性大豆食品は、加工中のこれらの成分の消失が少ない。
大豆食品には血圧・体重・血中脂質などを下げる効果があるという報告がある。一方で、大豆食品と死亡リスクの関連について、これまでの研究でさまざまな結果が出ている。そこで研究チームは、多目的コホート研究で、大豆食品や発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクとの関連について調査した。
関連情報
9万人超を15年追跡して調査
「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。
研究チームは、1990年と1993年に岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪の11の保健所に在住していた40~69歳の男女9万2,915人を対象に、2012年まで追跡して調査した。
研究開始から5年後に行なったアンケート調査により、納豆、味噌、豆腐などの大豆食品や発酵性大豆食品・各大豆食品の摂取量を調べ、5つのグループに分け、平均15年間の死亡との関連を調べた。
納豆をよく食べている人は循環器疾患の死亡リスクが低い
その結果、男女ともに発酵性大豆食品の摂取量が多いほど、死亡全体(総死亡)のリスクの低下していた。
さらに、大豆食品のうち納豆、味噌、豆腐について死亡リスクとの関連をみたところ、女性では納豆や味噌の摂取量が多いほど死亡リスクが低下していた。豆腐については男女ともに低下の傾向はみられなかった。
循環器疾患については、男女ともに納豆の摂取量が多いほど死亡リスクが低下した。がんについては、総大豆食品、発酵性大豆食品などの摂取量と死亡リスクの関連はみられなかった。
納⾖1パックを食べると死亡リスクは10%減少
今回の研究で、総大豆食品摂取量と死亡リスクとの関連がみられなかったものの、発酵性大豆食品の摂取量が多いと死亡リスクが下がることが明らかになった。また、納豆の摂取量が多いほど循環器疾患による死亡リスクが低いことも分かった。
納豆などの発酵性⼤⾖⾷品を1⽇におよそ50g食べている人では、ほとんど食べない人にに比べ、死亡リスクは約10%減少した。50gは納⾖1パック程度だ。
「JPHC研究」の以前の調査では、エネルギーに対する植物性タンパク質の割合が多いほど、総死亡・循環器疾患死亡のリスクが低いことが明らかになっている。大豆は植物性タンパク質の主な摂取源であり、とくに納豆などの発酵性大豆食品は、加工中の栄養成分の消失が少なく、効果的である可能性がある。
納豆は食事療法にも活用したい食品
Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study(BMJ 2020年1月29日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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