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2016年03月10日
糖尿病の人は緑内障に注意 9割の人が緑内障に気付いていない
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3月6日~12日は「世界緑内障週間」だ。世界緑内障週間は「世界緑内障連盟」などが中心になり行われている緑内障を啓発するための国際的なイベント。日本では日本緑内障学会が中心となり、毎年3月にさまざまなイベントや啓発運動が行われる。
緑内障は、何らかの原因で眼圧が上昇して視神経が圧迫され、視野が徐々に狭くなる病気。成人の失明原因の第1位になっている。早期発見して治療すれば怖い病気ではないが、現状では9割の人が緑内障を発症していても気付いていないという。
20人に1人が緑内障 9割が緑内障に気付いていない
日本緑内障学会が岐阜県多治見市の40歳以上の住民約3,000人を対象に行った大規模な研究「多治見スタディ」では、5%が緑内障と診断された。つまり40歳以上の日本人には、20人に1人の割合で緑内障の患者がいることになる。
うち9割は緑内障とは気付いておらず、治療を受けていなかった。全国の患者数は約400万人と推定され、高齢化で今後も増加が予想される。
緑内障は主に眼球の内側から外側にかかる圧力である「眼圧」の影響で起こる。眼圧は目の中の水分である房水の量で調節されており、房水は角膜の隅にある出口(隅角)から流れ出ていき、常に一定の眼圧がかかる仕組みになっている。

わずかな異常が分かるOCT検査が普及
緑内障の検査は眼圧検査が基本だが、眼底検査や視野検査も行われることが多い。診断の現場では近年、「OCT」と呼ばれる新たな検査も広がっている。
「OCT」(光干渉断層計)とは、近赤外線の光線を眼底へ照射し光の干渉を利用することで網膜の断面をみる検査。放射線や造影剤を使うことなく光を当てるだけで検査でき、患者に負担をかけることなく精度の高い像が得られる。
OCTによる眼底検査の普及により緑内障の診断率は大きく向上した。わずかな網膜の異常が分かるので、病気を早期に発見でき、治療の経過も容易に分かる。緑内障のほか「黄斑浮腫」「加齢黄斑変性」「黄斑円孔」などの病気の検査にも用いられる。
緑内障の治療は進歩しており、点眼薬による治療も選択肢が増え、より眼圧レベルをより低く保つことが可能になっている。緑内障手術も進歩しており、日本緑内障学会は「早期に診断された緑内障が高度視機能障害をきたす確率は大幅に低下している」としている。
早期発見のために40歳を過ぎたら年に1回の検診が必要
しかし課題もある。緑内障の特徴として初期の自覚症状が非常に少ないということだ。緑内障を早い段階で見つけるためには、検査を定期的に受ける必要がある。
緑内障の初期の段階では、視野の欠損が小さく両目で見ると正常に見える場合が多く、自分ではなかなか気づかない。「読書がしにくい」「まぶしく感じる」「文字が書きづらい」「うまく歩けない」といった症状に気付いたときにはかなり進行してケースが多い。
こうした障害を感じた場合は、速やかに眼科を受診することが重要だ。特に、発症リスクの高くなる40歳以上の人、緑内障を発症した血縁者がいる人は、年に1回検査を受けることが勧められている。
青菜類を毎日食べると緑内障を予防できる?
ホウレンソウやキャベツ、コマツナなどの青菜類を毎日食べると、緑内障リスクが最大で20%以上も低減するという研究が発表された。
米国のハーバード大学医学部とブリガム アンド ウイメンズ病院などの研究チームは、看護師や医療従事者を対象とした研究に参加した約10万5,000人のデータを分析。25~28年間の追跡調査から青菜類の摂取量と緑内障の発症リスクとの関係を調べた。

世界緑内障週間
Higher Dietary Nitrate and Green Leafy Vegetable Intake Associated With Lower Risk of Glaucoma(米国医師会雑誌 2016年1月14日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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