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2015年10月06日
テレビ視聴が肥満の原因に 30歳代の生活スタイルが中年以降に影響

15年間のテレビの視聴時間の平均は2.4時間だった。参加者のうち男性の23%と女性の20.6%が、毎日4時間以上テレビを視聴していた。テレビの視聴時間と身体活動には相関関係があり、ベースライン時に視聴時間が4時間を超えていた人では、1時間未満の人に比べ、身体活動スコアが25%低下していた。
BMIの平均は5年後、10年後、15年後、20年後にそれぞれ25.9、27.2、28.5、29.1と、時間が経過するにつれ上昇していった。参加者が30歳の時、より多くの時間をテレビ視聴に費やした人は、より少ない時間を費やした人と比較して、5年後以降に肥満になる傾向が強まることが判明した。
「テレビの視聴時間が長くなると肥満が増える傾向が中高年でみられることは過去の研究で示されています。今回の研究では、その傾向は若年者でより顕著であることが明らかになりました」と、ピッツバーグ大学公衆衛生学部のアンソニー ファビオ氏は言う。
若年者の生活スタイルは、テレビ放送の内容により影響を受けやすい可能性がある。テレビでは高カロリーの栄養価の低いジャンクフードの広告が多く放送されている。「若者はテレビで放送されるジャンクフードの広告の誘惑にかられやすく、不健康な食品を摂取しやすい可能性があります。テレビの視聴時間が増えると、運動不足が増える傾向もあります」と、ファビオ氏は指摘する。
テレビ視聴に代表される不活発な生活スタイルと肥満の両方が、世界的に急速に増えている。テレビ視聴の時間を少しでも減らして、健康的な食事と運動習慣を心がけることは、公衆衛生上の改善につながる可能性がある。
「今回の研究では、テレビ視聴を減らすための介入すべきもっとも重要ターゲットは、若年者であることが示されました。健康的な生活スタイルを身に付けるための行動変容は、早期年齢で開始する必要があります」と、ファビオ氏は述べている。
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