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2015年06月23日
野菜から食べ始めると食欲を抑えられる 第75回米国糖尿病学会(1)

インクレチンである「GLP-1」には、インスリンの分泌を促して血糖値を下げるだけでなく、脳の中枢神経に働きかけて食欲を抑える作用があることが、アムステルダム自由大学医療センターの研究で明らかになった。
GLP-1を増やすために、食事が重要であることも確かめられた。GLP-1は食事に含まれる栄養素により刺激され分泌される。野菜などの食物繊維が多い食事をとると、腸にあるGLP-1を分泌する細胞が刺激され、GLP-1が増える。食物繊維は、満腹感をもたらすだけでなく、食欲を抑制する働きがあることが明らかになった。
さらに、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの脂肪酸も、GLP-1の分泌に関与している。EPAやDHAが豊富に含まれる魚を食べると、GLP-1が増え食欲を抑えやすくなるという。
食事をとるときは、まず食物繊維の豊富な野菜を食べはじめると、血糖コントロールの改善にも役立つようだ。
Dual actions of a novel bifunctional compound to lower glucose in mice with diet-induced insulin resistance
エモリー大学医学部の調査によると、過去1〜2ヵ月の血糖値を反映するHbA1cの平均値は、野菜を十分にとっている患者(62%)では7.6%だったが、十分にとっていない患者(38%)では9.9%だった。新鮮な野菜を十分に食べているかが、食事療法を遵守できているかをみる目安になる。健康的な食品を買う経済的な余裕のない家庭では、糖尿病リスクが拡大していることが示された。
「糖尿病の食事療法では自己マネジメントが重要ですが、社会経済学的な介入も必要であることが示されました。健康的な食事をしやすいように環境を整備する必要があります」と、研究者は指摘している。
妊婦の肥満の割合は世界的に増えており、20-39歳の妊婦の肥満は、米国では31.9%、ヨーロッパでは30〜37%、アイルランドでは推定20〜25%に上るという。
コロラド大学医学部の研究チームが、母親の乳児から提供されたへその緒から幹細胞を取り出して調べたところ、肥満だった母親では標準体重だった母親に比べ、脂肪の含有量が30%高いことが判明した。出生児の細胞内の脂肪蓄積が、乳児に受け継がれている可能性がある。研究チームは、妊娠時の肥満が、乳児が成長してからどのような影響をもたらすかを、追跡して調査している。
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