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2014年05月15日

30歳代から増える「痛風」 尿酸値を下げる方法は糖尿病と共通

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糖尿病合併症
 痛風は、「尿酸」という物質が体内で増加することで起こる病気だ。血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と診断される。尿酸値が高いと、痛風発作が起きやすくなる。
自覚症状がなくても「痛風」は確実に進んでいる
 痛風発作の特徴的な症状は、関節の腫れを伴う痛みだ。症状はどの関節でも起こりえるが、足のことが多く、もっとも多いのは親指の付け根の関節だ。赤く腫れ、歩行困難になるほどの強い痛みが起こり、「風が吹いても痛い」と言われるほどだ。

 痛風は男性に圧倒的に多くみられ、日本での患者数は約100万人で25年間で約4倍に増えた。最近では30~40歳代で発症する人が多い。女性でも、女性ホルモンの分泌が少なくなる閉経後には、痛風を起こしやすくなる。

 痛風の原因となる尿酸は、体内で核酸からつくられる。生成と排出のバランスをとる仕組みが正常に働いていれば、尿酸値は一定に保たれる。ところが、何らかの理由で尿酸が過剰につくられたり、排出される量が減ったりすると、血液中の尿酸量が増え、高尿酸血症と診断される。

 尿酸量が増えて濃度が高くなると、溶けきれなくなった尿酸が関節の中で結晶化し沈着するようになり、長い年月をかけてたまっていく。

 注意しなければならないのは、高尿酸血症と診断されても、すぐに痛風発作を起こすわけではないということだ。自覚症状がなくても「尿酸の結晶化」が確実に進んでおり、身体に悪影響を及ぼす「非常に高いリスクに侵されている状態」であるのは確かだ。

 「自覚症状が無いから大丈夫だろう」と、そのまま高尿酸血症を放置しておくと、尿酸の結晶は徐々に体内で蓄積され、さまざまな病気を引き起こす原因になる。

痛風治療の基本は「食事・節酒・運動」
 高尿酸血症の治療では、尿酸値を7.0mg/dL以下に下げることを目指し、まず生活指導が行われる。生活指導は尿酸値がどのレベルの人にも必要な治療で、「食事療法」、「飲酒制限」、「適度な運動」が中心になる。

 高尿酸血症の治療は、糖尿病の治療と重なる部分が多く、糖尿病の人は尿酸値が高い人が少なくない。逆にいえば、高尿酸血症を治療することは糖尿病の予防・治療につながり、糖尿病の食事・運動療法は、尿酸値にも良い影響を与える。

・ アルコールを飲むと尿酸が生成される

 尿酸を適正に保つためには、飲酒や食事に気を付ける必要がある。「ビールはプリン体が含まれるので良くない」と言われることが多いが、実際にはアルコール飲料は、種類に関係なく注意が必要だ。

 アルコールが肝臓で分解されるとき、プリン体の分解も進み、尿酸が多く生成される。さらに、アルコールを大量に摂取した場合には、腎臓からの尿酸の排出が妨げられ、尿酸値が上がりやすくなる。

・ プリン体の多い食品をとりすぎない

 プリン体は食品の細胞の核に含まれている。健康な人であれば、プリン体の摂取量を気にする必要はないが、尿酸値が高い人は、1日の摂取量を400mg以内に抑えることが勧められている。

 レバーや魚の干物は、プリン体の含有量が特に多い食品だ。肝臓(レバー)は代謝の盛んな臓器なので、細胞数が多く、多くのプリン体が含まれる。

・ 肥満はインスリン抵抗性の原因になる

 肥満があると、「インスリン」という血糖値を下げるホルモンが効きにくくなる。体は血糖値を下げようと、インスリン分泌量をさらに増やす。こうした状態を「インスリン抵抗性」といい、痛風の悪化の原因にもなる。

 インスリンが増加すると、肝臓で乳酸という物質が吸収されやすくなる。乳酸が増えると、尿酸の排出が妨げられ、尿酸値が高くなりやすくなる。

 インスリン抵抗性を軽減するために効果的なのは、体重を減らし、肥満を改善することだ。肥満のある人は、肥満を解消するだけで尿酸値が改善することもある。

次は...コンピュータ断層撮影(CT)を用いた新しい診断法

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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