ニュース
2014年03月13日
血糖自己測定をもっと良く行うためのヒント 5つのチェック項目

体重や血圧を測るのと同じように、自分で自分の血糖を測ることを血糖自己測定(SMBG)という。自分の血糖値をその場で知ることにより、食事や運動、経口薬、インスリンなどの影響を知ることができる。
「血糖自己測定を行っている患者さんは、簡単な処置をすることで、正確な検査値を得られるようになります」と、カリフォルニア大学糖尿病教育センターのマーリーン ベジュリフ氏は話す。
測定チップは極小の検査室(ラボ) 扱いには注意が必要
![]() | 指先から採血するときに、手を流水でよく洗う |
また、アルコール綿や消毒ジェルでふきとっただけでは、糖分を十分に取り除けない場合がある。
流水で手を洗った後で、よく乾かしてから測定するのが理想的だ。
![]() | 正確な測定できているかをチェックする |
その場合は、測定チップを代えて再度テストを行い、それでも数値が外れている場合は、故障が疑われる。メーカーの相談窓口に電話をするか、医療機関に伝えよう。
米国食品医薬品局(FDA)によると、測定器は精密機械なので、数メートル上から堅い床に落としただけでも、故障の原因となる可能性があるという。
![]() | 測定器や測定チップの保存場所に注意 |
また、測定チップの保存場所にも注意が必要だ。高温・低温の環境や、湿度の高い場所に置いて保存するとエラーの原因になる。
![]() | 測定チップの使用期限をチェック |
![]() | 電磁波が出る電子機器の近くでは使わない |
血糖測定に使う測定チップは、精密な化学製品で、センサーについた酵素が血中のブドウ糖と反応し、生成された過酸化水素から電気的にまたは比色定量により、ブドウ糖濃度を測定するようになっている。
「測定チップは、小さな検査室(ラボ)と言えるほどに精密に作られています。温度変化の激しいところや湿度の高いところでは、測定器内部に水滴が発生して、正しい測定結果を得られないおそれがあります。バスルームに測定器や測定チップを置いて保存する人を少なからず見かけますが、お勧めできません」と、ベジュリフ氏は説明する。
低血糖のときは指先で測定 指先以外では測定値が高めにでることも
「血糖自己測定では、指先以外に、前腕や上腕、手、ふくらはぎなどから採血し測定することも可能です。注意しなければならないのは、指先とそれ以外の部位とでは、血液循環が生理学的に異なるため、血糖値に違いが生じる場合があることです」と、ベジュリフ氏は指摘する。
指先などは毛細血管が発達しており、指先から採取した血液の方が、前腕などの部位から採取した血液よりも、早く血糖値が変化しやすい。指先の測定結果との相違を少なくするために、指先以外の測定部位で測定するときは、よくこすってから穿刺した方が良いという。
なお、低血糖を自覚したり、無自覚性低血糖が疑われる場合には、ふだんは前腕などから採血をしていたとしても、指先から採血する必要がある。「血糖値が末梢血流で低くなっている場合、指先以外の測定部位での毛細管血の測定は、実際の生理状態を反映しないことがあります。指先で採血する必要があります」と、注意を促している。
Checking Blood Glucose(米国糖尿病学会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病の検査(HbA1c 他)の関連記事
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 血糖値を下げれば脳卒中を予防できる ストレス対策も必要
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 【国際女性デー】妊娠糖尿病や妊娠高血圧のリスクのある女性の産後の検査が不十分 女性の「機会損失」は深刻
- 【歯周病ケアにより血糖管理が改善】糖尿病のある人が歯周病を治療すると人工透析のリスクが最大で44%減少
- 早い時間に食事をとると糖尿病リスクは減少 「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も重要
- 「温泉療法」で⾼⾎圧を改善 ストレスによる睡眠障害を緩和 冬の温泉⼊浴では注意点も
- 糖尿病の予防はすぐにはじめられる こんな人は糖尿病リスクが高い 東京都など
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病の人にとって危険? 血糖値が上昇し筋肉の質も低下
- 握力が低下している人は糖尿病リスクが高い 握力や体力を維持して糖尿病リスクを減少
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 脳卒中の脅威は世界で拡大 【脳卒中を予防するための8項目】