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2014年01月30日

おいしい減塩食レシピを競うコンテスト 国立循環器病研究センター

 だし・うまみ賞を受賞した宇都宮東病院糖尿病センターのチームは、甘みの強い栃木産のトマトを使った「トマ玉丼」などを出品。「トマトは味がしっかりしているので塩を使わなくても食べられるし、加熱することでさらに甘みが増す。下処理を済ませば、10分で作り終わるスピードメニュー」と話し、安くて手に入りやすい食材で簡単に作ることができる点にこだわったと説明した。

 同センターでは、糖尿病食を基本とした健康食を提供するレストランを併設。実践型の栄養指導の場として活用しているという。今回受賞したレシピを、同レストランでも提供する予定。

予防のための減塩 塩を減らしカロリーも控えめに
 「塩分控えめで健康的だけども味はいまひとつという“従来型減塩食”に代わり、塩を減らすことにより素材のうま味を引き出し、カロリーも控えめだけどもおいしいという“かるしおレシピ”の考え方が予想以上に脚光を浴びていることがわかりました」と、国立循環器病研究センターの橋本信夫理事長は話す。

 高血圧治療ガイドラインでは、高血圧の人に対しては、6g未満を勧めているが、血圧が正常な人にとっても1日6g未満を心がけることが勧められる。ほとんどの日本人は必要量をはるかに超える食塩を摂取している。

 塩分は血圧と密接な関係がある。塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなる。ナトリウム濃度が高くなると、それが、中枢神経に働いてのどが渇き、水分を摂取する。すると血管に流れる血液量が増え、血圧が高くなる。

 つまり、塩分をとりすぎると体内の塩分と水分の量を調整するために血液量が増え、高血圧になるというわけだ。

 かるしおレシピでは、八方だしや、素材のきざみ方などを工夫し、しっかりした味を実現している。“国循の減塩調理”の基本とあわせ、循環器病の予防に向けた減塩の重要性を紹介している。

 「減塩に対する正しい認識を広め、自治体、食品業界などが協力して減塩を進め、日本人の生活習慣を改善していかなければならない」と、橋本理事長はまとめた。

各地の特産品を活用した美味しい減塩食を発掘するレシピコンテスト(国立循環器病研究センター)
減塩食について(国立循環器病研究センター)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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