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2013年10月08日

糖尿病の新たな分子機構を解明 細胞老化の原因タンパク質を発見

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医療の進歩
 科学技術振興機構(JST)と新潟大学は、糖尿病の発症に関わる新たな分子を同定したと発表した。内臓脂肪から分泌されるタンパク質「セマフォリン」が炎症の原因となっており、細胞の老化やインスリン抵抗性を引き起こしているという。このタンパク質を抑えることが2型糖尿病の新たな治療標的となる可能性がある。

 日本人の糖尿病の大部分を占める2型糖尿病では、多くの場合で内臓脂肪の蓄積とそれに伴う炎症がみられる。これまでの研究で、過食・肥満にともない内臓脂肪の老化が進み、炎症を引き起こすことが2型糖尿病の発症につながることが分かっていたが、そのメカニズムについて詳しくは分かっていなかった。

 研究チームは、過食・肥満にともない、マウスの内臓脂肪において「セマフォリン3E」というタンパク質が多量に分泌され、炎症を引き起こしていることを発見した。セマフォリンは細胞間の信号伝達に関わるタンパク質群で、神経回路の形成や、免疫細胞の調整などに関わっている。

 2型糖尿病患者ではセマフォリン3Eが増加しており、脂肪組織の炎症を引き起こし、インスリン抵抗性の原因になっている。セマフォリン3Eの働きを抑えることが、2型糖尿病の新たな治療標的となる可能性があるという。

 研究成果は、南野徹・新潟大学医学部循環器内科学分野教授らの研究チームによるもの。研究はJS課題達成型基礎研究の一環として行われ、詳細な内容は米科学誌「Cell Metabolism」に発表された。

次は...脂肪の老化と炎症を結ぶカギ分子の同定

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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