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2013年10月08日
運動目標は「30分のウォーキングを週5回」 心臓病や脳卒中を予防
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世界心臓連合(World Heart Federation)は、ウォーキングの習慣に関する意識調査を、米国、英国、ブラジル、中国、インド、スペインの6ヵ国で行った。その結果、健康のために、実際にどれだけ歩ければ良いかを理解している人は、4人に1人しかいないことが分かった。
「心臓病や脳卒中を予防するために運動が効果的ですが、世界的に身体活動のレベルが低下している傾向がみられます。ウォーキングは、もっとも基本的な身体活動です。調査では、実際にどれだけ歩けばよいのかを認知している人は14~37%しかいないことが分かりました。多くの人は、食事にばかり気をとられがちで、運動に対する関心は薄いのです」と、世界心臓連合の科学部門の責任者であるキャスリン タウベルト氏は話す。
ウォーキングの目標を知っていた成人の割合は、米国と英国では3人に1人、インドでは6人に1人しかいなかった。また、1日に30分以下の活発なウォーキングを続けている人の割合は、6ヵ国平均で55%だった。
経済成長が著しい中国では、生活レベルの向上や便利な暮らしを支える科学技術が進歩した一方で、重労働や軽労働がともなう産業は減ってきている。仕事で体を使う機会が減り、また交通機関が発達した結果、身体活動は1991年から2006年の間に男性で46%、女性で35%減少したという。女性でも、料理や掃除、洗濯といった身体活動をともなう家事は減少しているという。
「特に高齢化が進んでいる先進国では、健康に対する意識が高まっています。米国と英国では3分の2がウォーキングを習慣として行っていることが分かりました。ただし1日の運動時間は短く、健康的な体重を維持するためにウォーキングが効果的であることを理解している人も少なかったのです」と、タウベルト氏は言う。
米国で行われた大規模研究「女性の生活習慣と健康に関する研究」(Nurses' Health Study)では、1万8,000人以上の女性を16年間追跡して調査した。体を動かし運動をする頻度がもっとも高い女性は、まったく運動をしない女性に比べ、平均で約10kg体重が少ないことが分かった。
「ウォーキングも、ゆっくり歩いただけでは効果が少なく、活発にてきぱきと歩くことで効果を期待できます。ウォーキングはいつでもどこでも取り組め、費用もかかりません。多くの方にウォーキングが効果的であることを理解してもらう必要があります」(タウベルト氏)。
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