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2013年08月27日
糖尿病を改善する「日本人の健康な食事」 厚労省が2回目会合を開催
糖尿病予備群の段階から動脈硬化は始まっている
内膜中膜複合体厚(IMT)は、早期段階における動脈硬化の進展指標のひとつ。頸動脈の血管壁の厚さを、エコー検査(超音波検査)によって測定する。動脈硬化の進んだ血管の場合、IMTが厚くなることが分かっている。
福岡県久山町で長年にわたり続けられている疫学調査「久山町研究」では、糖尿病と診断されないが血糖値が高めになっている「耐糖能異常(IGT)」の段階で、IMTが厚くなり動脈硬化が進むことが確かめられた。
食事療法:インクレチン療法に期待
2型糖尿病のインスリン分泌障害に対する新たな治療戦略として、「インクレチン」と呼ばれる消化管ホルモンが脚光を浴びている。インクレチンは、食事摂取に伴い消化管から分泌され、膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するホルモンの総称。インクレチンは、血糖値が上昇した時のみに作用してインスリンの分泌を促進して血糖を降下させる。さらに不適切なグルカゴンの放出を抑える働きもある。
インクレチンは、食事中の炭水化物の量に応じて分泌される。血糖コントロールに大きく影響を与える炭水化物の摂取については、質と量について注意が必要となる。日本人の炭水化物の平均摂取量は年々減少しているが、消化・吸収の遅い穀類やデンプンなどの複合糖質を主体とし、食後の血糖値が上昇しやすい単純糖質の摂取を控えることが必要となる。お菓子やジュースなどの清涼飲料に含まれるのは単純糖質だ。関連情報:「カーボカウント」は誤解されている 極端な糖質制限に注意
高齢者向け宅配食サービスのニーズは拡大
国立健康・栄養研究所の高田和子氏は「高齢者がよりよく生きるための日本人の食事」と題して発表した。日本は高齢化社会を迎えており、高齢者が充実した食生活を送ることや、快適な食事環境を整えることが重要な課題となっている。実際には、年齢が高くなるほど買い物や料理を困難に感じる高齢者が増るという調査結果がある。
多くの高齢者にとって、自宅で生活するためには少しの支援があればよい。適切な支援があれば、高額な高齢者介護施設に入りサービスを受ける必要もなくなる。多様な宅配食サービスを利用できれば、高齢者の自立に強力な手助けとなる可能性がある。
内閣府の「高齢者の健康に関する意識調査」によると、55歳以上の人が、今後自分で食事の用意ができなくなった場合に、利用したい食事サービスは「民間による宅配サービス」がもっとも多く34.3%で、次いで「公的な配食サービス」、「ホームヘルパーや家政婦による食事の用意」と続く。1人暮らしの高齢者の増加などの影響を受け、食品宅配の市場規模は2009年には1兆6,166億円だったのが、2015年には1兆9,021億円に拡大すると予測されている。
長生きするための「健康な食事」基準作り 厚労省検討会が初会合 第2回日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会(厚生労働省 2013年8月20日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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