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2013年08月27日
糖尿病を改善する「日本人の健康な食事」 厚労省が2回目会合を開催
厚生労働省は、健康な食事の考え方やその具体的な目安を提示することを目的とする「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」(座長:中村丁次・神奈川県立保健福祉大学長)の第2回目の会合を開催した。来年3月に報告書をまとめ「健康な食事」の目安を提示することを目指している。
1975年頃の食事が日本人には理想的
日本人の食事パターンは、時間が経過するとともに変わっていった。東北大学などの研究グループは、日本の家庭の食事メニューを1960年から2005年まで15年おきに再現しマウスに与える実験を行った。その結果、1975年頃の食事を与えたマウスは、内臓脂肪の蓄積や中性脂肪が半分に抑えられ、高コレステロールの頻度も低く、糖尿病リスクが低いことがあきらかになった。
もっとも糖尿病リスクが低いのは1975年頃の食事で、その頃の家庭の標準的な夕食のメニューは、ご飯・肉じゃが・もずく酢・キャベツと卵のすまし汁といったものだった。ご飯と魚介類、海藻が多く、欧米食の影響はわずかだったという。
動物性脂肪の摂り過ぎと不健康な食習慣が増加
日本人の食事の3大栄養素のエネルギー比率は60年間に変化している。炭水化物・脂質・タンパク質の比率は、1946年には80.6%・7.0%・12.4%だったのが、2008年には62.4%・21.5%・16.1%に変化した。
日本人はもともと米を主食としてきたわけではなく、米と麦を半々、あるいはアワ・ヒエ・ソバ・イモなどを混ぜて炊飯していた。1960年代以降の高度経済成長を経て、精白米・パン・麺類が主食の中心となり、糖質の摂取量が急激に減少した。
幣氏は「“動物性脂肪の過剰摂取”、“食物繊維の不足”、“朝食の欠食や間食・夜食の増加”、“夜9時以降の食事”といった食習慣が増えています」と、現在の日本人の食事は社会依存傾向が強い点を指摘する。
食事回数は1日3回を基本として、可能な限り時間を守り、欠食しないことや、早朝の高血糖を避けるため夜9時以降の食事を控える、よく噛んで時間をかけて食べることが重要だ。関連情報:食事療法で失敗しないための8つのポイント
肉を食べ過ぎると糖尿病リスクが上昇
日本人の肉類の摂取と糖尿病リスクとの関連について、国立国際医療研究センター、国立がん研究センターなどが2013年に大規模研究の結果を発表した。男性では肉類全体の摂取量が多いグループ(1日あたりの100g以上)で糖尿病発症リスクが高くなった。摂取量がもっとも少ないグループ(同23g)に比べ、もっとも多いグループでは糖尿病のリスクが1.36倍高いという結果になった。関連情報:牛や豚の赤肉を食べすぎると糖尿病リスクが4割上昇
若い世代ほど食物繊維が不足
食物繊維は消化されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能があきらかになっている。日本人の食物繊維の摂取量は、穀類摂取量に比例して低下している。最近の調査によると、食物繊維の平均摂取量は男性13.9g、女性13.5gで、若い世代ほど少ない傾向がある。
総エネルギー量が少ない場合は、1日のエネルギー摂取量1,000kcalあたり10g以上(1,600kcalの人は16g以上)の食物繊維を摂取するのが目標で、食物繊維を1日20〜25g摂取するのが理想的だという。「食物繊維の増加はインスリン感受性を改善し、糖尿病リスクを低下させる。インスリン抵抗性に対して適切にインスリンを分泌する能力を改善し、血糖低下、血清脂質改善作用をもたらします」と、幣氏は指摘している。
バランスの良い食事パターンで糖尿病リスクを低下
「DFSA食」は、野菜、果物、乳製品、デンプンを多く摂取し、アルコールの摂取量が少ないバランスの良い食事パターン。九州大学などが行った調査により、DFSA食事パターンの食生活をしている人は、そうでない人と比べて2型糖尿病の発症リスクが49%少ないことがあきらかになった。
「野菜や果物を摂取する食事パターンは、2型糖尿病の発症リスクを低下させます。野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維や抗酸化物質などが含まれ、乳製品にはカルシウムが豊富に含まれます」と、幣氏はバランスの良い食事パターンのメリットを強調する。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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