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2013年08月29日
糖尿病合併症を防ぐフラボノイド 野菜と果物の食べ方がポイント
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フラボノイドには、抗酸化作用が強く、血管を強くする働きがあるという特徴がある。フラボノイドの種類によっては、糖尿病や高血圧、動脈硬化、脳卒中に効果があったり、抗がん作用、認知症予防の効果があることが確認されている。
フラボノイドは多くの種類がある。ブドウの果皮やレタスなどの緑色野菜に含まれる「フラボノール」や「アントシアニン」、タマネギやパセリなどに含まれる「ケルセチン」、ブロッコリーに含まれる「ケンフェロール」、ミカンやオレンジなどの柑橘類に含まれる「フラバノン」、緑茶など茶類に含まれる「カテキン」、大豆に含まれる「イソフラボン」などがフラボノイドだ。
例えば、緑茶に含まれるカテキンは、お茶の苦みや渋みをもたらしている。ブドウの果皮や葉に含まれるフラボノールは、赤ワインの色に独特の深みをもたらしている。
脂肪の多い食事をしているフランス人に動脈硬化や心臓病が少ないのは、赤ワインのアントシアニンによるものと考えられており、「フレンチ パラドックス」と呼ばれている。
フラボノイドの摂取量を増やすコツは、野菜を多く食べること。緑黄色野菜をたくさん食べている人は、フラボノイド摂取量も多い。
日本人の伝統的な食事スタイルでは、味噌や豆腐などの大豆食品や、野菜や緑茶を多く摂取する。日本人は1日に数百mgのフラボノイドをとっていると推定されている。
フラボノイドを含む野菜や果物は、β-カロチン、ビタミンC、食物繊維などの宝庫でもある。1日の望ましい野菜の摂取量は350gだ。
日本栄養士会は2010年から「野菜たっぷり350運動」を展開している。成人は野菜や海藻、きのこ、いもなどを1日5つ(SV)から6つ(SV)食べることを勧めている。
フラボノイドは水溶性なので、体内にとどまる時間は短い。たまに野菜を食べただけでは、血中のフラボノイド濃度は高まるのは食べた直後のみだ。毎食、野菜を食べれば、常にフラボノイドを体内にとどめることができる。

この研究は、中国の武漢大学のYu-Jian Liu氏らが、6件の研究を解析したもので、28万4,806人の成人を対象としている。
1万8,146人が2型糖尿病と診断されたが、フラボノイドを多く摂取している人は、糖尿病を発症する割合が9%低いことが分かった。
また、フラボノイドを1日に500mg摂取すると、糖尿病の発症を5%減らすことができるという。
ハーバード大学公衆衛生大学院が行った研究では、アントシアニンの豊富なブルーベリーをよく食べている人では、2型糖尿病を発症する割合が23%低下することが分かった。この研究は、15万9,559人の女性と、4万1,334人の男性を対象に行ったもの。
糖尿病の治療を続けている人にとっても、フラボノイドは強い味方になる。フラボノイドを食事でとると、2型糖尿病の女性で、心臓病の危険性が低下するという研究が発表された。
英イーストアングリア大学の研究は、2型糖尿病のある閉経後の51〜74歳の女性93人の女性が参加して行われた。
大豆に含まれるイソフラボノイドを多く摂取した女性は、10年間に心臓発作が起こる危険性が3.4%低下した。フラボノイドの摂取によって、インスリン抵抗性とコレステロール値も改善した。
Dietary flavonoids intake and risk of type 2 diabetes: A meta-analysis of prospective cohort studies(Clinical Nutrition 2013年3月27日)
Dietary flavonoid intakes and risk of type 2 diabetes in US men and women(American Journal of Clinical Nutrition 2012年2月22日)
Dietary flavonoids could provide health benefits for patients with type 2 diabetes(Diabetes Care 2012年1月16日)
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