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2013年08月12日

日本人患者で欧米型肥満が増加 BMI23以上からスクリーニングを開始

 未治療の期間は、グループAで6.5±7.7年、グループBで6.5±6.2年、グループCで5.3±6.0年となり、経年的に短くなっており、特にBMI25以上の肥満の症例でこの傾向が強い。また、最初の異常指摘から診断までの期間は短いほどHbA1cは低い傾向があり、高血糖による症状(口渇、多飲、多尿症、全身倦怠感、体重減)の罹患率についても同様の傾向がみられるという。

 さらに、初診時のHbA1c高値(8%以上)を評価の指標としてロジスティック回帰分析を行ったところ、性別、年齢、最初の異常指摘から診断に要した期間、症状の有無を調整した後でも、ここ5年ではBMIが少しでも高い(23以上)と初診時のHbA1c値が高くなることがあきらかになった。HbA1c8.4%以上を示す相対リスクは、グループCではBMIが23である場合にオッズ比(OR)が2.09(95% CI:1.26-3.49、P=0.005)となった。

 「日本人の肥満はBMIの基準は25以上であり、欧米(30以上)に比べると低いものの、日本人の2型糖尿病は、若年側から欧米型肥満糖尿病へのシフトが始まっている」と、研究者は指摘している。その患者層では最初の血糖高値の指摘から診断までの期間がやや短いにもかかわらず、血糖コントロールがすでに悪くなった状態で診断されている。「健診における糖尿病のスクリーニングについて、BMI23以上でスクリーニングを行う、あるいは、新しい若年肥満2型糖尿病の病態についての観察や特別な介入を行うなどの対策が必要なことを示唆している」と述べている。

Journal of Diabetes Investigation

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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