ニュース

2012年11月16日

世界糖尿病デー 各地でブルーライトアップ

キーワード
世界糖尿病デー



 11月14日は、糖尿病の予防・改善に取り組むため国連が定めた「世界糖尿病デー」。各地で、糖尿病対策を訴える催しが行われた。
市民講演会や無料の栄養相談を実施
 横浜市では10日、神奈川県糖尿病対策推進会議などが共催し、「神奈川糖尿病デー2012 市民講演会」が開催された。医師だけでなく歯科医や管理栄養士、健康運動指導士、薬剤師がそれぞれの立場から、血糖値を改善する対策を指導した。

 予備軍も含めて国内に2,200万人いるとされる糖尿病患者。糖尿病腎症や網膜症などの三大合併症、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を予防するためにも早期発見・早期治療が重要だ。しかし、診断が遅れ適切な時期に治療を開始できない患者が少なくない。

 糖尿病は、早い時期から食事療法と運動療法を開始し、良好な血糖コントロールを維持することで、病気の進展を防げる。そして、合併症を起こすことなく、健常な場合とほぼ同様の生活を生涯にわたり営むことも可能となる。

 会場となった玄関ホールには、血糖測定器、食品モデルを使って食事のカロリーを計測する装置を使った「カロリークイズ」、無料で血糖測定や栄養相談を受けられるコーナーが設けられ、患者やその家族らが多く立ち寄り、関心を寄せていた。

 「糖尿病は発症しても自覚症状が少ない。空腹時血糖で糖尿病と診断される前に、何年にもわたり食後の血糖値だけが高い、食後高血糖の時期がある人が多い。こまめに健康診断を受けて、異常があらわれたら、治療を早期に開始して欲しい」と神奈川県糖尿病協会副会長の津村和大先生は話した。

ブルーライトアップを愉しむ夕べ マイスター・ジャパン


 糖尿病患者団体「マイスター・ジャパン」(代表:能勢謙介氏)は、世界糖尿病デーを記念して、糖尿病患者が本格フレンチを楽しむイベント「ブルーライトアップを愉しむ夕べ」を横浜と名古屋で開催した。

 「糖尿病になると、健康面への影響を心配するあまり、食事を楽しめなくなる患者が多くいます。しかし、ちょっとした知識と心構えをもっていれば、好きな食事と健康との両立をはかることは十分できます。そのことを患者、また患者を取り巻く家族・知人に認識、体感していただくことにより、QOLの向上につなげられればと考え、開催しました」と能勢氏は話す。

 11月10日に横浜・山手のフレンチレストラン・エリゼ光にて、講師として杉本正毅先生(東京衛生病院 糖尿病内科)を招いて食事会を開催した。14日には名古屋城が見えるKKR名古屋にて、木村那智先生(ソレイユ千種クリニック院長)を講師として、食事会を開催した。

 マイスター・ジャパンは、「患者自身が患者をサポートする」をテーマに、1型糖尿病などの慢性疾患患者を支える活動を展開している。マイスター・ジャパンが開発した日本初の食事の炭水化物量を検索するためのアプリ「Carbodata」では、4万品の食品の炭水化物量を検索することができる。

 能勢氏は「ブルーライトアップを愉しむ夕べ」について、「患者と、患者のことを大切に思う人が一緒に、安心して、楽しく会食できる場となった」と開催の意義を語った。

 マイスター・ジャパンでは、今後は全国で同趣旨のイベント開催を呼びかけ、ツールの提供などを支援することを計画しているという。

 「患者と患者の周辺にいるサポーターとの交流を通じて、サポーターは“知識と備えがあれば大丈夫なんだ”と安心でき、患者は“やりたいことがあればどんどん医師に相談すればいいんだ”と理解できるようになる。患者の情報が医療者に正確に伝わり、双方のQOLが向上し、相互理解と社会参加の促進につながる」と能勢氏は意気込みを語った。

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲