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2012年01月27日

1日1時間のヨガで血糖値が低下 運動療法に期待

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運動療法
 ヨガは糖尿病の運動療法として有用だろうか。数千年前の古代インドで発祥したというヨガは、現代では心身の健康法として人気があるが、一般的には呼吸が中心でフィットネスエクササイズとしては運動量は少ないとみられている。このほどヨガに2型糖尿病患者の血圧、血糖コントロール、酸化ストレスを改善する効果があるという研究が発表された。
ヨガで血圧値・血糖値が低下
 糖尿病の運動療法は、ウォーキングや水中運動などの有酸素運動と、ダンベル運動などのレジスタンス運動を組合せて行うと効果的とされる。ヨガはそのどちらでもない。有酸素運動でもない、レジスタンス運動でもない、第三の運動に運動療法としての効果があるかが注目されている。

 この研究はインドのGulf医科大学病院など5つの医療機関で行われた。2型糖尿病患者(40〜75歳)123例を、ヨガ群(60例)と対照群(63例)に分けた。ヨガ群には通常治療とともに毎朝約60分のヨガを続けるように指導し、対照群には通常治療のみを行ってもらった。両グループとも糖尿病の食事療法と運動療法を続けてもらい、糖尿病治療薬や降圧薬は3ヵ月の研究期間の間、内容を変えないようにした。

 体位や身体姿勢のヨガを35分、呼吸を10分、瞑想を10分、実施前後にそれぞれ5分間のリラクセーションを行ってもらった。

 ヨガのポーズは、▽山のポーズ:腹部を引き締め背筋を伸ばし直立する、▽木のポーズ:片足をもう片方の太ももまで上げバランスをとりながら姿勢を保つ、▽バッタのポーズ:うつぶせに寝ながら両足や片足を上に上げる、▽牛の顔のポーズ:両足をくずし横座りになりながら手を背中で組む、▽三角のポーズ:上半身を横にねじり倒しながら姿勢を保つ、▽前屈のポーズ:座った状態で両手で足をつかみ前屈していく――など19のポーズで構成されていた。

 ベースライン時には収縮期・拡張期血圧、空腹時・食後血糖値は、いずれもヨガ群と対照群で有意差はなかったが、1日1時間のヨガを行うことで3ヵ月後には、血糖コントロールが有意に低下した。

 ヨガ群では、空腹時血糖値は試験開始時の145.8mg/dLから3ヵ月後に131.4mg/dLへと有意に減少した。食後血糖値は216.0mg/dLから196.2mg/dLに減少した。HbA1cは8.4%から8.3%に変化し、有意差は認められなかった。

 ヨガで用いられる呼吸法に、交感神経緊張を緩和し、副交感神経の活性を促し、コルチゾールを減少させ、ストレスを和らげる効果があるとする研究はこれまでに発表されている。研究者らは血圧低下の効果と、ヨガのストレス低下の効果が関連あるのではないかと指摘している。

 高血圧などがあり激しい運動ができない患者も、ヨガであれば安全に運動を行えるというメリットもある。「さらに研究が必要だが、ヨガを毎日続けると血糖値や血圧値を低下させる効果を期待できるようだ。より活発な運動が血糖値やHbA1cを低下することはよく知られており、ヨガの中にも動きを取り入れエクササイズの要素をもたせたポーズがある。そうしたヨガを意識して取り入れれば、より効果を期待できるかもしれない」と研究者は指摘している。

Effect of 3-Month Yoga on Oxidative Stress in Type 2 Diabetes With or Without Complications: A controlled clinical trial
Diabetes Care October 2011 vol. 34 no. 10 2208-2210

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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