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2011年10月21日
糖尿病腎症の食事療法 病型や症状に合わせた食事が腎機能を守る

セミナー当日、蛋白調整食の試食会も開催された
画像は盛付イメージ(提供:武蔵野フーズ)
日本透析学会が毎年とっている統計によると、腎不全に進展し透析療法を新たに開始した患者数は2万9700人。うち43.5%が糖尿病、21.2%が慢性糸球体腎炎、11.6%が腎硬化症がそれぞれ原因疾患となっており、3疾患で75%以上を占める。
慢性糸球体腎炎は減ってきたが、糖尿病腎症は2010年に減少傾向を示したものの、1980年代からほぼ一貫して増え続けているという。


蛋白質を調整した日替わりの食事セットの宅配サービスも行われている。
画像は武蔵野フーズ「やすらぎ膳」の1日の献立例

やすらぎ膳 たんぱく質30gコース 夕食

やすらぎ膳 たんぱく質30gコース 朝食

やすらぎ膳 たんぱく質30gコース 昼食
腎臓の機能は全身の動脈硬化と強い関係にあり、わずかに腎機能が低下しただけでも動脈硬化が進行し、さらに腎臓の機能が低下すると心血管障害が増えるので、早期発見・治療が重要となる。
糖尿病腎症の進行にもっとも大きく影響するのは血糖コントロールだが、高血圧も腎症を進行させる原因となる。蛋白質のとりすぎも腎症を悪化させるので注意が必要となる。
糖尿病腎症の進展と程度は、尿中に出る蛋白(主としてアルブミン)の量と腎臓の血液を濾過する機能の程度により、1期から5期までに分けられる。糖尿病腎症は10年以上の長い期間をかけて進行し、初期には自覚症状もないので定期的な尿中アルブミン検査が重要となる。
腎症の進行を予防するために、第2期(早期腎症期)の段階までに、血糖と血圧のコントロールにより腎症を改善することが大切となる。
田部井氏は、腎不全保存期の患者で、蛋白制限を行うと、腎機能の悪化速度を遅くすることができると説明した。これは、蛋白制限により、糸球体への濾過負荷が低下するからだ。
田部井氏は蛋白制限により糸球体濾過率の低下が抑制された症例を示しながら、「腎臓の機能が低下しはじめた頃から食事療法が必要となる。具体的にはクレアチニンクリアランスが70mL/分以下に低下したら、程度に合わせて徐々に開始するとよい」と述べた。
蛋白制限食による食事療法を適正に行えば、低栄養状態が起こることはなく、体重減少やアルブミンの低下もまねかないという。田部井氏は「(食事療法を)実践できることが重要」と強調している。
「健康宅配」冷蔵食の宅配サービスは、日替わり献立で、3食セットで30品目以上の食材をとることができ、バリエーションが豊富なのが特長となる。地元の農協から仕入れた国産野菜など、素材の良さにもこだわりがあり、手作り感覚が好評だ。
蛋白調整食「やすらぎ膳」は、糖尿病腎症や慢性腎臓病(CKD)などの食事療法を行っている人向けに、管理栄養士が考えた主に蛋白質を調整した完全調理済みの食事を、冷蔵のまま届けるサービス。電子レンジで簡単に調理でき、手軽に利用できる。
21項目の栄養素をバランス良く含む日替り献立で、咀嚼・消化機能にも配慮してあるという。
冷蔵セット(関東全域と一部地域)は、フリーダイヤルで資料請求や注文ができる。
エネルギー調整食
エネルギー・塩分調整食
たんぱく調整食
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