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2011年05月06日
食物繊維をとると死亡リスクが低下 穀類での摂取が効果的
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食事で食物繊維を十分にとると、心疾患などによる死亡リスクが低下することが、米国の9年におよぶ研究であきらかになった。米国立がん研究所などの研究者らが今年2月に発表した。
食物繊維をとっていると全死因リスクが低下
【食事療法】 関連トピック
参加者の食物繊維の摂取量は、男性13〜29g/日、女性11〜26g/日だった。9年以上の追跡期間に、男性2万126人、女性1万1330人が死亡したが、食物繊維を多くとっていると、男女ともに総死亡リスクが低下する傾向がはっきりと示された。
食物繊維摂取量のもっとも多い男女2割(男性29.4g/日、女性25.8g/日)では、摂取量のもっとも低い群(男性12.6g/日、女性10.8g/日)に比べ、総死亡リスクが22%低いという結果になった。
心血管疾患、感染症、呼吸器疾患については、食物繊維の摂取量が多いと、男性は24%〜56%、女性は34%〜59%の死亡リスクの低下が見られた。また、男性では、がんの死亡のリスク低下が認められた。
ただし、今回の調査で死亡リスク低下との関連が示されたのは、男女ともに全粒粉など穀類のみで、果物などでは関連が認められなかった。
研究者らは「“米国人のための食事ガイドライン”では野菜・果物・全粒粉など、食物繊維を豊富に含む食品をとることを勧めている。1日にエネルギー量1000kcalに付き14gの食物繊維をとると良いとされている。今回の研究で、食物繊維をとると健康面への付加価値を期待できることが裏付けられた」と述べている。
Fiber intake associated with reduced risk of death(米国医師会 2011年2月14日)Dietary Fiber Intake and Mortality in the NIH-AARP Diet and Health Study
Arch Intern Med. 2011 Feb 14
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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