ニュース
2011年01月06日
ウェブで腎機能チェックし慢性腎臓病(CKD)を早期発見 [東京都]
- キーワード
- 糖尿病合併症
CKDは血糖や血圧、脂質のコントロールといった適正な治療や、食事・運動で進行を防げる可能性が高い。しかし、初期の段階では自覚症状がないため、気づかないうちに進行している患者が多いとみられている。いわゆる“隠れ腎臓病”のうちに、医療機関で検査を受け、早期から適切な治療を開始することが重要となる。
都が開設した腎機能チェックサイトでは、特定健診などの血液検査(クレアチニン)と尿検査(蛋白尿)で分かった数値と性別、年齢、家族の既往歴を入力すると、腎機能の状態がすぐに分かるようになっている。
腎機能の状態(CKDの進行度)は、ステージ1〜5で判定される。これは、GFR(糸球体濾過量)をeGFR(推算GFR)の計算式で算出したもの。ステージ3までに気付き、医療機関で診療を受ければ、生活習慣の改善と治療により透析の開始を避けられる可能性が高まる。
例えば、ステージ2と判定された場合は、「ステージ2は軽度の腎機能低下と腎障害があることです。通院中の方は、かかりつけ医に相談してみてください。糖尿病の方は、治療を続けるとともに主治医と相談して定期的に腎機能検査を受けることをお勧めします。」といったアドバイスが表示される。
例:40歳男性 糖尿病の疑いがある場合
(1)トップページの入力画面に入力し、「eGFRとCKDのステージを判定する」をクリック
腎不全へと進行すると、人工透析や腎移植を受けなければ生きられなくなってしまう。高血圧や糖尿病などが原因で、CKDは増え続けており、日本では成人の約8人に1人にあたる約1330万人がCKDだといわれている。透析療法を受けている患者数は毎年約8000人ずつ増えており、すでに透析人口は全国で28.3万人、東京都では約2.6万人に上る。
透析患者の増加は医療費の増大も招いている。東京都によると、人工透析に係る医療費は外来で月40万円にも上る。都は「糖尿病、高血圧などの疑いがある方や治療中の方などにアクセスしてもらい、腎臓病の早期発見・治療に役立ててほしい」としている。
糖尿病合併症の関連記事
- 運動と健康的な食事の組み合わせで効果は最大に 内臓脂肪が減り転倒も防止 女性にも運動が必要
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- テレビの視聴時間を減らすと糖尿病リスクは減少 遺伝的リスクのある人も心臓病や脳卒中を予防できる
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 糖尿病の人は脳卒中リスクが高い 血糖値を下げれば脳卒中を予防できる ストレス対策も必要
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- ウォーキングなどの運動で糖尿病リスクを減少 余暇時間の運動が寿命を4.5年延ばす 仕事の後は体を動かす習慣を
- 腎不全の患者さんを透析から解放 「異種移植」の扉を開く画期的な手術が米国で成功
- 【世界肥満デー】内臓脂肪が増えると糖尿病リスクは上昇 肥満は脳のインスリンの働きを低下 認知症リスクが増加
- ウォーキングなどの運動で糖尿病など19種類の疾患のリスクを減少 わずか5分の運動で認知症も予防