インスリン分泌が低下・消失し発症する1型糖尿病では、糖尿病網膜症や糖尿病腎症といった合併症を長期間にわたり防ぐために、良好な血糖コントロールが望まれる。インスリンの頻回注射によって健常者の血中インスリンの変動パターンに近づける強化インスリン療法が必ず行われる。
しかし、インスリン療法を行い厳格な血糖コントロールを目指すと、しばしば深刻な低血糖をともなうことがある。良好な血糖コントロールを望んでいても、患者によっては低血糖へのおそれが治療の妨げになっている場合がある。
JDRFが発表した研究は、8歳から69歳の成人と小児の1型糖尿病患者129人を対象に行われた。CGMを行う群と通常の血糖測定のみを行う群に分け比較した(CGMを行う群の93%が、通常の血糖測定のみを行う群の79%が、それぞれインスリンポンプを使用)。米国での1型糖尿病の血糖コントロール指標では、成人ではHbA1c値が7%未満、小児や若年では7.5%から8%未満を目標にしている。研究に参加した患者はHbA1cを7%未満を維持することを目標にした。6ヵ月の介入後、CGMを行った群では、70mg/dL以下の低血糖が37分間減少した。
研究を指揮したJDRFのアーロン・コワルスキー医師は、「CGMを行った患者では低血糖を抑えながらHbA1c値を維持できた。低血糖を低減できれば、血糖コントロールをより改善できる可能性がある」と述べている。
JDRFでは、CGMで測定したリアルタイムの血糖データをインスリンポンプに送信し基礎インスリンを補う「人工膵臓」の開発も視野に入れ研究が行われている。
一方で、CGMでは皮下細胞間質液のブドウ糖を測定するので、血糖自己測定で測定した値と比べ較正する必要があり、また、血液中のブドウ糖から数分から十数分のずれがあることも指摘されている。患者にとっては、通常のインスリン療法や血糖自己測定に加え、CGMのリアルタイムセンサーを使用できるようになるための訓練や経験が必要になり、血糖コントロールについてより高度な理解が求められるようになるという。
・Artificial Pancreas Project: Juvenile Diabetes Research Foundation International
・The Effect of Continuous Glucose Monitoring in Well-Controlled Type 1 Diabetes(Diabetes Care)
関連情報
・低侵襲性のリアルタイム持続血糖測定装置への期待(血糖自己測定-インスリン注射と血糖自己測定)
・血糖を連続的に自動的に測定する機器(CGMS)(いま、1型糖尿病は)