世界の糖尿病人口は3億8000万に増加
毎年11月14日に開催される「世界糖尿病デー(WDD)」は、糖尿病が世界中で健康を脅かす脅威になっているのを受け、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって制定された。11月14日は1922年にインスリンを発見したフレデリック・バンティングの誕生日にあたる。この日、日本を含む世界中で、糖尿病の治療と予防を広く呼びかけるキャンペーンが展開され
る。
世界の糖尿病有病者数は2億5000万人以上で、20年内に3億8000万以上に増加し、その80%は途上国に集中するだろうと予測されている。これを受けて、世界糖尿病デーは2007年に公式の国連デーとして採択された。
2009年から2013年にかけての世界共通のテーマは「糖尿病教育と予防」で、今年のスローガンは「糖尿病を理解し、コントロールしよう(Understand Diabetes and Take Control)」。
キャンペーンは、IDFに加盟する160ヵ国以上の200以上の糖尿病協会などによって執り行われる。テレビやラジオ、新聞などでの報道、スポーツイベント、糖尿病と糖尿病合併症の無料検査、市民公開講座の開催、ウォーキング大会、自転車レースなどに加え、建物のブルーライトアップも行われる。
世界糖尿病デーには、糖尿病への注意喚起が世界中で呼びかけられる。糖尿病という病気を完治する方法はなく、糖尿病の患者と家族は治療に一生向き合わなければならない。糖尿病は自己管理が大切な病気であり、医療スタッフから必要な情報を得ることがきわめて重要となる。また、2型糖尿病を発症する危険の高い予備群の数は世界で3億人以上に上り、その多くは適切な体重を維持し、習慣的に運動をすることで予防でき
る。
日本でも日本糖尿病学会と日本糖尿病協会を中心に、世界糖尿病デーイベント実行委員会などが主催し開催される。東京タワー、東京都庁、レインボーブリッジ、通天閣のブルーライトアップをはじめ、全国各地で関連イベントが予定されてい
る。
世界糖尿病デーのロゴ
世界糖尿病デーのロゴである「ブルーサークル」は、IDFを中心に展開されている糖尿病啓発キャンペーン「Unite for Diabetes」のグローバルシンボルでもある。2007年に国連が糖尿病の克服を採択したのを機に採用された。円は生命と健康を象徴し、ブルーは空の色であり国連の旗の色を示す。「糖尿病の脅威に対し世界の糖尿病コミュニティーが文化の違いを超え力を合わせよう」という願いが込められている。
糖尿病は人類共通の課題
- 世界の糖尿病有病数は2億4600万人、2025年までに3億8000万人に増えると予想される。
- 世界で10秒に2人が糖尿病を発症している。
- 世界で10秒に1人が糖尿病が原因で亡くなっている。
- 糖尿病が起因となり亡くなる人の数は年間380万人に上るにもかかわらず、この病気について軽視されている。
- 糖尿病はほとんどの先進国で、主な死因のひとつになっている。
- 1型糖尿病の有病者は1年に3%増えている。もっとも発症が増えているのは子供。
- 2型糖尿病を発症する子供も増えている。
- 2型糖尿病は若い世代でも増えている。途上国では糖尿病有病者のほとんどが35歳から64歳。
- 糖尿病は、心臓発作、脳卒中、失明、切断、腎不全の原因となる。
- 糖尿病と糖尿病の危険性についてよく知り、適切な知識をもつことが大切。適切に管理しコントロールできれば、糖尿病の人は健康な人と同じように生きられる。
国際糖尿病連合(IDF)リリース
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所