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2009年10月16日
インクレチン関連薬 国内初の「DPP-4阻害薬」が発売
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万有製薬は、2型糖尿病治療薬「ジャヌビア錠」(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物)が薬価基準収載されたことを受け、12月11日に発売した。ジャヌビアは、日本で初めて承認された「DPP-4阻害薬」で、国内では10年ぶりの新しい作用機序をもつ経口2型糖尿病治療薬となる。
シタグリプチンが注目されているのは、日本で初めて承認された「インクレチン関連薬」だから。「インクレチン」は、消化管から分泌される、インスリン分泌を促すホルモン。 栄養素が消化管にとりこまれると、インクレチンである「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」などが、小腸上部や小腸下部から分泌され、膵β細胞に作用しインスリンが分泌される。しかし、インクレチンは血中などに多くある酵素「DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)」によってすぐに分解されてしまう。 DPP-4の活性の働きを阻害すれば、インクレチンの働きでインスリン分泌が強まり、血糖コントロールが容易になる。そこで開発されたのがDPP-4の活性を阻害するDPP-4阻害薬だ。 インクレチン関連薬としては、インクレチンの分子構造を一部変えて分解されにくくした「GLP-1アナログ」の開発も進められている。DPP-4阻害薬は経口薬(飲み薬)で、GLP-1アナログは注射剤という違いがあるが、いずれも国内で数種類の開発が進められており、近い将来に治療に使えるようになる。GLP-1アナログについては、週1回の注射で済むタイプの開発も進められている。 今回承認されたシタグリプチンは、優れた忍容性をもち、低血糖を起こしにくく、体重増加が起こらないことが特徴となる。食事の影響を受けないので、1日1回いつでも服用ができる。患者にとっても付き合いやすい薬だ。 インクレチン関連薬は、高血糖のときのみに作用するので、低血糖を起こしにくい。また、膵β細胞への作用だけでなく、胃からの食物の排出を遅らせたり、食欲を抑えて肥満を抑制する作用もある。 血糖降下作用のあるSU剤を服用していると、しだいに薬の効き目が薄れ、2次無効と呼ばれる状態になることがある。その場合は他の経口剤を併用したり、インスリン療法へ移行しなければならないことが多い。インクレチン関連薬は、SU剤の2次無効が起きているときの併用でも効果があると期待されている。さらに、まだ動物実験で確かめられた段階でヒトでは実証されていないが、β細胞量を改善する効果もあるのではないかと考えられている。 新しく開発された薬剤なので、長期に使用された経験がない。それだけに副作用について気になるが、万有製薬の発表によるとシタグリプチンの日本国内の臨床試験で報告された副作用は1190例中96例(8.1%)で、主なものは低血糖や便秘だった。副作用については治療に使われるようになり数年を経て確認されるが、現在までのところ重篤な副作用は報告されていないという。 関連情報
糖尿病リソースガイド 万有製薬(株)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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