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2009年06月10日
米国糖尿病学会で新たな診断基準にHbA1cを推奨
- キーワード
- IDF(国際糖尿病連合) 医療の進歩 糖尿病の検査(HbA1c 他)
米国糖尿病学会(ADA)と国際糖尿病連合(IDF)、欧州糖尿病学会(EASD)によって設置された国際的な専門委員会は、糖尿病診断の新しい診断基準としてHbA1cを採用することを推奨した。
6月5日にニューオーリンズで開催された「第69回米国糖尿病学会」のシンポジウムで発表したもので、3団体の正式な承認はまだ受けていない。委員会の報告書は同学会が発行する医学誌「Diabetes Care」7月号に掲載される予定。インターネットでは「International Expert Committee Report on the Role of the A1C Assay in the Diagnosis of Diabetes」と題する論文が発表され
HbA1c6.5%*以上は糖尿病
HbA1cは過去1ヵ月から2ヵ月の平均血糖値を反映する。委員会はHbA1cが糖尿病網膜症など合併症の発症と良く関連していると評価し、糖尿病の診断に採用するべきだと強調した。HbA1c値は血糖コントロールの指標と評価に用いられており、6.5%以上であれば糖尿病である可能性が高く、糖尿病患者では6.5%未満を維持できていれば合併症が起こる危険は少なくなる。
* | HbA1c値は、日本糖尿病学会が定め国内で広く使用されているJDS値と、米国を中心に世界的に普及しているNGSP値とでは、算出方法と値が異なる。日本のHbA1cは米国よりも0.4%低値であり、今回の国際委員会が勧告しているカットオフ値6.5%は、日本の基準では6.1%になる。 |
International Expert Committee Report on the Role of the A1C Assay in the Diagnosis of Diabetes(Diabetes Care)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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