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2008年07月03日
血糖自己測定の採血器具の取り扱いで注意喚起
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- 血糖自己測定(SMBG)
微量採血用穿刺器具には、下記の3種類がある。
- 器具全体が使い捨て
- 針と先端キャップ(針周辺部分)を含めて使い捨て
- 針は使い捨てだが、針周辺部分は使い捨てではない
針を除く穿刺器具の「使い回し」により、B型肝炎などの感染症の発生が確かめられた例は出ていない。
http://www.info.pmda.go.jp/anzen_pmda/file/
iryo_anzen05.pdf
こうした穿刺器具は血糖自己測定を行うとき患者個人が使用することを想定しており、添付文書の禁忌欄にも「患者個人の使用に限り、複数の患者に使用しないこと」と記載されている。本体にも「複数患者使用不可」のシールが貼ってある。また、上記の1や2のタイプであったり、患者個人のみで使っていれば感染のおそれはない。
発端となったのは、5月22日に島根県の診療所で、複数の患者に採血用の穿刺器具を使い回していたことが発覚したこと。使用されたのは、本来は患者個人が使用するための穿刺器具だった。医療スタッフが器具の使い方を誤認しており、結果として同じ穿刺針を「使い回し」してしまった。県によると針を交換しないで検査を行った事例はこの1件だけだった。
厚労省はこれを重くみて5月22日付で「採血用穿刺器具(針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの)の取扱いについて」とする文書で注意を喚起した。
これ以前の2006年3月には、このタイプを複数患者に使わないよう注意を促す通知を、都道府県や医療関係団体に出していた。理由となったのは、「針」を交換しても「針周辺部分」に付着する血液からの感染が否定できないこと。
英国で介護施設でB型肝炎の感染との関係が疑われる旨の発表があり、カナダでは注意喚起が行われた。厚労省はこうした海外での事例をふまえ、器具の製造販売業者に「複数患者使用不可」のシールを張り付けることなどを指導するとともに、各都道府県に「複数の患者に使用しないよう特段の注意を払うこと」と注意喚起していた
肝炎の感染の可能性について、専門家は「B型肝炎の感染を予防するために、消毒用アルコールで拭きとっただけで
今回の事態について、自治体では相談窓口を開設したり、希望者へ検査するといった対応をしている。また、医療機関やメーカーに対する厚労省の通知が「周知徹底されていない」という声もある。
全国の医師や歯科医師が加入する全国保険医団体連合会は、「問題となっている事態は、主に糖尿病患者の血糖値を測定する際、指先から採血する時に使う針を除く器具本体の複数者使用であり、日本ではB型肝炎などの感染症の発生事例の報告はない」と指摘している。
その上で「今回起こっている事態の正確な情報を公開するとともに患者や国民の不安を解消するべき」としている。
・ | 社団法人日本糖尿病学会 微量採血のための穿刺器具の取り扱いについて |
・ | 微量採血のための穿刺器具(針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの)に関する報道発表資料(厚生労働省) |
・ | *新しい肝炎総合対策の推進(厚生労働省) ウイルス性肝炎とその感染予防について、一般向け、医療関係者向けに詳しく掲載してい |
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