糖尿病の医療費・保険・制度
アンケート集計データによる糖尿病の医療費
ここでは、糖尿病ネットワークにご登録の糖尿病患者さんに向けて行ったアンケート結果の一部をご紹介いたします。ご協力賜りましたご回答者の皆様、誠にありがとうございました。
[調査概要] 調査対象者:糖尿病ネットワークのメールマガジン(患者さん・一般向け)にご登録の方 アンケート実施日:2006年3月6日(月)〜13日(月) 調査方法:インターネット [回答者の概要] 有効回答数:485人(男性346人、女性155人) 回答者の年齢層:10代〜80代(なかでも30代〜60代が中心) 糖尿病の治療内容(複数回答あり):食事療法346人、運動療法281人、飲み薬の服用192人、インスリン療法389人、インスリンポンプ療法8人、血液・腹膜透析3人 糖尿病の型:1型糖尿病224人、2型糖尿病250人、境界型11人 糖尿病合併症や併発症の有無(複数回答あり):なし249人、糖尿病神経障害90人、糖尿病網膜症84人、糖尿病腎症40人、高血圧症110人、高脂血症85人、心疾患27人、肥満77人 かかりつけの病院:大学病院64人、総合病院231人、クリニック・診療所190人、その他10人 通院頻度:2週間に1回23人、1カ月に1回112人、2カ月に1回35人、3カ月以上に1回13人 |
Q. 病院、クリニックで支払う糖尿病の治療費(薬剤費含む自己負担額)は1カ月につき平均いくらですか? n=472
しかし、治療法別でみてみると、治療費に差が出てくるのがわかります。
■食事・運動療法のみ n=27
■食事・運動療法+経口血糖降下薬 n=94
■インスリン療法 n=173
■インスリン療法+経口血糖降下薬 n=59
Q. 血糖自己測定(SMBG)を行っていますか?(治療法別に回答を振り分け)
■食事・運動療法のみ n=27
行っている 45% 1日1回 12% 1日2回 16% 1日3回 4% 1日4回以上 0% 月に数回 68% |
■食事・運動療法+経口血糖降下薬 n=98
行っている 39% 1日1回 37% 1日2回 5% 1日3回 8% 1日4回以上 0% 月に数回 50% |
■インスリン療法 n=230
行っている 98% 1日1回 15% 1日2回 25% 1日3回 25% 1日4回以上 25% 月に数回 10% |
■インスリン療法+経口血糖降下剤 n=62
行っている 95% 1日1回 17% 1日2回 44% 1日3回 20% 1日4回以上 9% 月に数回 10% |
ご回答いただいた患者さんより、医療費および社会保障制度に関してのご意見を多数(187通)頂戴いたしましたのでその一部を紹介させていただきます。
○血糖測定センサーが高い。測定回数を増やすと確実にA1Cは5.3から5.8内に3年間1型でも保持している。
○医療費を抑えるためにジェネリックに変えました。出来ればこのサイトで先発品とジェネリックの一覧を載せて欲しい。
○毎月の治療費がとても高く困っている糖尿病も保険などのなんかの制度を考えてほしい
○1000円前後もバラツキがあります。一生付き合う治療ですので少しでも安いクリニックを日々探しています。なぜ、こんなにも料金が違うのでしょう。
○医療費が高すぎる。もう少し公費負担してほしい。年間1万円くらいにならないか。(現在自己負担額15万弱)1型については、不治の病であり、罹患期間が長く、将来のリスクも大きいので医療費の公費負担を早急に実現してもらいたい。生命保険や簡易保険も何も入れないのだから、国が保障すべきである。
○月々の医療費がかなり負担になっている。どうして同じ病気なのに成人するまでしか小児慢性特定疾患治療費がでないのか。成人後に発症したのでこの制度は全く利用できなかった。
○血糖測定の備品類を安くすればインスリン治療していない人も使えるようになると思う。境界型から治療が必要ですので予防と言う観点から、SMBGの普及は大事です。
○糖尿病だけでなく、どのような制度やサービスがあるのかと言う情報が病院内外でほとんど得られないので、そのような場があると利用したい。特に病院の費用は糖尿病に限らず点数制になっており、何にどの程度のお金がかかっているのかが全く分からず、将来どの程度負担が増えるのかと言う不安もある。
○食事療法、運動療法のみでも1日1回程度の自己血糖測定(SMBG)の費用を健保適用できるようにしてもらいたい。
○生涯付き合わなければならない病気なので、医療費負担を少しでも減らしたい。具体的にはジェネリック医薬品をもっと積極的に活用できる環境を整えてもらいたい(テレビでCMはみるが具体的にどうしてよいかのか分からない)。
○インシュリン自己注射を導入してない患者でも、自己血糖測定器購入や検尿試験紙など消耗品(針やチップ)に掛かる費用について保険が効けばいいと思う。インシュリン自己注射に至るより前に、普段から自己の血糖測定を実施することで、自制に繋がり、自己管理にも気を配ると思います。正直いいまして、医療費の負担がきつく、受診をせず、放置していたこともあります。でも、結局良くなるわけでもなく、結果ますます医療費がかさむという悪循環に至っております。自分が悪いのは百も承知ですが、栄養指導など、何度も何度も受けさせられ、食事療法のやり方はわかってはいても何度も指導を受ける度に思うのは、あぁ・・またこれで今日も診察代に栄養指導料が加算されるんだっていうことです。わかっているけれど実施できないところに問題があるのですが、実施できない人には心理面でのサポートがもっと必要なんじゃないかと感じています。
○2型患者が増加する一方のため社会保障対象になるのが困難かと思われるが、今年から医療費控除が10万円では受けれなくなるようなので、もう少し血糖測定チップや診察時の自己負担額が安くなることを望む。
○インスリンの補充なくして生命を維持できない病態なら、社会的な支援があって然るべきだと思う。
○経済的に負担が大きく感じられます。財布の中に1万5,000円入っていないと受診もインスリンも手にすることが出来ません。インスリンだけでも処方箋がなくても購入できないものかと思います。きっと無理なことだとは思いますが経済がついていかない者は死と隣り合わせなのです。
○医療費が高いので毎年確定申告で医療費控除を
○インスリン投者以外の人もSMBGを健保適応になるといいとですね。私の場合、測定するようになってHbA1Cが1以上、改善されました。予後を考えると、医療費節約にもなると思います。
○糖尿病の治療費が大変高いと思います。特に継続治療が必要な糖尿病患者の3割負担は重いです。健康な方が忘れたころにしか病院に行かないような場合には3割でも負担はあまり感じないかもしれませんが、糖尿病のような継続治療が必要な人には3割ではなく、何か特別な制度が必要だと思います。
○15歳の時から糖尿病を患っており、社会人になって民間の生命保険に加入しようと思ったが、糖尿病を理由に審査に通らなかった。多少の保険料増は仕方ないと思うが、糖尿病を患っていても保険に加入させて欲しい。現在は、審査のない共済に加入している。
○病名にDMが付いてなくても持病にもっているため、入院などでも必ず関係してくるが、小満の自己負担の場合、どこまでが小慢対象なのか患者にははっきりわからず、医療機関も曖昧である。患者にわかるようなものにしてほしい。毎月の医療費の負担は大きい保険に入りたくても入れない。入れたとしても、疾病特約がつけられない。
○完治しないのに20歳を過ぎてから補助が全くなくなり医療費負担がどれぐらいなのか不安2.完治する事がないのに小児慢性特定疾患の手続きが毎年必要なのが疑問、その上、その度に診断書にお金がかかる病院とかからない病院が有るのも不公平な気がする。
○1型糖尿病で、11歳ですが、昨年から一部負担になりました。1カ月5,700円ですが、子どもの命を維持するのにお金がかかるのはおかしい気がします。20歳未満までは無料、20歳以上でも6,000円ほどですむようになればいいと思います。
2006年04月更新
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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