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2024年04月26日
「玄米」が糖尿病を改善 白米から置き換えて血糖上昇を抑制 「米ぬか」の健康機能を解明
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- 糖尿病と肥満 糖尿病の検査(HbA1c 他) 食事療法
玄米を食べる食事スタイルは、糖尿病リスクを減少する効果があることが、さまざまな研究で確かめられている。
白米を玄米に置き換えることで、2型糖尿病のリスクは低下する。週に白米を5回以上食べている人が、うち2回を玄米に置き換えるだけでも効果を期待できるという。
米ぬかに含まれる成分に、糖尿病や肥満を抑制する作用があることや、米ぬかから得られるナノ粒子が、抗がん作用を示すことも分かってきた。
玄米の米ぬかは栄養の宝庫
玄米の、表面をおおう果皮や、発芽にかかわる胚芽を合わせたものが米ぬか。多くの人がふだん食べている精白米は、玄米の外側にある米ぬかをみがき落としたものだ。 玄米の米ぬかには、不足しがちな食物繊維をはじめ、ビタミンB群、マグネシウムなどの栄養素が多く含まれ、さらには米ぬか特有の成分である「γ‒オリザノール」も含まれることから注目されている。 玄米に含まれる食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑える。食事でとった糖質は、体内でブドウ糖に変わり、小腸から吸収されるが、食物繊維はそのブドウ糖の吸収を遅くし、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる。 食物繊維は腸内細菌のエサにもなる。白米の代わりに、食物繊維が豊富に含まれる玄米や麦などをとり入れると、腸内環境が良くなり、炎症が軽減され、血糖を下げるインスリンが働きにくくなるインスリン抵抗性が改善するという研究も発表されている。白米を玄米に置き換えると糖尿病リスクが低下
米ぬかのγ-オリザノールに糖尿病や肥満を抑制する作用が
琉球大学医学部などは、米ぬかに含まれる玄米特有の成分であるγ-オリザノールに、糖尿病や肥満を抑制する作用があることを明らかにしている。 玄米に含まれるγ-オリザノールは、血糖値を下げるインスリンを分泌する膵β細胞の、小胞体ストレスを抑制するという。 これにより、β細胞が減るのを抑え、さらにはその新生や再生も促し、インスリンの分泌を高めるとしている。 小胞体は、細胞内でタンパク質や脂質の合成などを担う器官。ストレスや遺伝的な要因により、その機能に異常が起こるのが小胞体ストレスで、糖尿病などのさまざまな疾患に関与していることが知られている。 さらには、γ-オリザノールは膵β細胞に直接的に作用して、インスリン分泌を促進したり、膵α細胞から分泌される、血糖を上昇させるグルカゴンの分泌も抑制するとみられている。 玄米のγ-オリザノールには、小胞体ストレスが亢進するのを防ぎ、高脂肪食に対する嗜好性を和らげ、食事で満足しやすくする効果もあるという。米ぬか成分に強力な抗がん作用が
安価で安全ながん治療薬を開発できる可能性
米ぬかから得られるナノ粒子が、強力な抗がん作用を示すことを東京理科大学が明らかにした。
このナノ粒子は、細胞増殖を制御するβ-カテニン、細胞周期を調節するサイクリンD1などの発現を抑えて、がん細胞の細胞周期を停止させ、アポトーシスを誘導するという。
米ぬかを原料として、安価で安全ながん治療薬を開発できる可能性がある。植物由来のナノ粒子は、低コストで大量に調製ができ、医薬として有用な生理活性を示すという報告が増えている。
「精米過程で発生する副産物である米ぬかは、あまり活用されておらず、大量に廃棄されています。しかし、米ぬかにはγ-オリザノールやγ-トコトリエノールなど抗がん作用を示すさまざまな物質が含まれます」と、研究者は述べている。
「米ぬか由来のエクソソーム様ナノ粒子であるrbNPsは、がん治療の新規治療薬の候補として有望と期待されます。米ぬかナノ粒子の安定した製造方法を確立し、その安全性と有効性を確認できれば、安価でかつがん治療に有用なナノ粒子製剤の開発につながります」としている。
安価で安全ながん治療薬を開発できる可能性
White Rice, Brown Rice, and Risk of Type 2 Diabetes in US Men and Women (JAMA Internal Medicine 2010年6月14日)
琉球大学大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 (第二内科)
γ-オリザノール含有機能性食品と糖尿病改善医薬 (琉球大学研究技術マッチングサイト)
Impact of brown rice-specific γ-oryzanol on epigenetic modulation of dopamine D2 receptors in brain striatum in high-fat-diet-induced obesity in mice (Diabetologia 2017年5月20日)
東京理科大学薬学部
Development of rice bran-derived nanoparticles with excellent anti-cancer activity and their application for peritoneal dissemination (Journal of Nanobiotechnology 2024年3月16日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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