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2023年05月30日
糖尿病の人の「水虫」にこうして対策 高温・高湿な夏を乗り切る 予防・改善のための9ヵ条
高温・高湿な日本の夏がはじまった。じめじめするこの時期に、気になるのが水虫。
足や爪の水虫は、命に関わるような深刻なものではないと軽く考えがちだが、不快に感じている人は多く、高齢者などでは転倒リスクを高めることもあるので、油断はできない。
水虫を予防・改善するための対策をご紹介する。足のアセスメントや適切なケア、受診勧奨の大切さも呼びかけられている。
日本人の5人に1人が水虫
水虫に悩まされている日本人は5人に1人に上る。水虫の原因は、カビ(真菌)の一種である「白癬菌」の感染。 白癬菌は、床やバスマット、スリッパなどさまざまなところにいるので、付着したら必ず感染するというものではないにしても、ふだんから白癬菌を取り除く対策が大切になる。 具体的には、「こまめに足を洗う」「乾いたタオルで拭う」「足を蒸らさないようにする」「足の蒸れる靴を長時間はかないようにする」「職場ではサンダルのような通気性のよいものに履きかえる」などの対策が効果的だ。 足白癬を放置していると、白癬菌が爪に感染して、「爪白癬(爪水虫)」になることもある。爪の下に水虫が住みつくと、完治するのに時間がかかる。爪白癬は、日本で1,000万人以上が発症しているとみられている。不快なだけでなく感染症や転倒の原因になることも
爪白癬の主な症状は「爪が白く濁る」「黄褐色になる」「分厚くなる」などで、痛みやかゆみをともなわないため、治療されずに放置されることが多い。 足白癬(足の水虫)を患っている期間が長い人ほど、爪白癬も併発している割合は高くなる。科研製薬などは、ケアマネジャー(介護支援専門員)を介してアンケート調査を実施。詳細は、5月に開催したプレスセミナーで発表された。 それによると、在宅介護の現場で、足や爪を確認してもらった高齢者の63%に、爪の変色・変形がみられた。 "爪白癬や足白癬は、日常生活を脅かしたり、命に影響を及ぼすような深刻なものではない"と軽く考える人が多いが、白癬症は不快なだけでなく、とくに高齢者では、それをきっかけに重大な感染症を引き起こしたり、爪白癬による肥厚などにより歩きにくくなったり、転倒リスクが増加することもあるという。水虫を放っておかないで治療を
水虫を予防・改善するための9ヵ条
米国糖尿病学会(ADA)や米国足病医学協会(APMA)によると、糖尿病とともに生きる人は、自分の足の状態について、とくに注意している必要がある。 糖尿病のある人が高血糖の状態が続くと、白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下し、殺菌力が低下することがある。その結果、病原菌と十分に戦えない状態になる。 また、糖尿病の合併症である神経障害を発症すると、感覚が鈍くなったり、血管障害で血流が悪くなり、皮膚に必要な栄養や酸素が行きわたらなくなり、感染症が増えやすい。 「糖尿病と診断されたばかりの方も、自分は健康だと思っておられる方でも、足のケアをすることは重要です」と、米国のヴァンテージ足病センターのシェリー ガス氏は言う。 「感染症を防ぐためには、血糖値をできるだけ正常に保つことが大切です。血糖値が高いと、病原菌と戦う力が弱まります。糖尿病の治療をきちんと行い、血糖管理を良好に維持することが効果的です」としている。 水虫の原因は白癬菌の感染。感染に対策して、足の健康を良好に保つため、ガス氏は次のことをアドバイスしている。水虫を予防・改善するための9ヵ条
1 | 自分の足がどんな状態になっているかを、鏡を使ってチェックする。足の痛み、切り傷、ひび割れ、水ぶくれ、発赤なども見る。 |
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2 | 毎日入浴し、足の裏全体、指と指の間を1本1本、石鹸をつかい優しく丁寧に洗う。 |
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3 | ナイロンタオルや軽石ではごしごしとこすらない。傷をつけるとそこから白癬菌が侵入しやすくなる。 |
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4 | 入浴後は足の裏、指と指の間を、タオルで十分にふいた後でよく乾かす。 |
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5 | 蒸れにくい靴やサンダルを履く。水虫が好む湿気の多い靴は続けて履かない。2足の靴を交互(1日おき)に履くなどして工夫する。 |
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6 | 乾燥しているときは保湿も大切。足が乾燥すると皮膚のバリアが破綻し、いろいろな菌が入りやすくなる。保湿をして、皮膚のバリア機能を維持することが役立つ。ただし、指と指の間には保湿剤は塗らない。 |
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7 | サンダルやスリッパなどは他人と共有しない。 |
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8 | プール・スポーツジム・ホテル・温泉の脱衣場、素足で歩く公共施設などに行った後は、帰宅後に足を洗う。 |
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9 | 足に異常がみられたら、皮膚科を受診して治療を受ける。 |
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爪白癬の啓発チラシ
出典:科研製薬、2023年
爪水虫の情報サイト「つめ水虫.jp」 (科研製薬)8 Tips to Protect Your Feet with Diabetes (米国糖尿病学会)
All Toes on Deck: Tips for Protecting Feet from the Heat (米国足病医学協会)
Focus on Your Feet! : Take Steps to Protect Foot Health (米国国立衛生研究所2023年3月)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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