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2023年03月01日
「朝型の食事スタイル」で糖尿病を改善 血糖値が低下 食事は1日3食がもっとも健康的
食事スタイルが「夜型」になると、食欲を調整するホルモンの分泌のピークが遅い時間になり、食べ過ぎにつながりやすいという研究が発表された。
1日の早い時間に朝食を食べる「朝型」の人は、血糖値が低く、インスリン抵抗性も低い傾向がみられることを示した研究も発表されている。
食事では、なるべく1日3食を規則正しく食べるのが、40歳以上の成人にとって、やはり健康的であることを明らかにした研究も発表された。
朝食をしっかりと食べることも大切で、朝食を抜いていると、心血管疾患による死亡リスクが1.4倍に上昇することが示された。
食事を「朝型」にすると糖尿病リスクが減少
朝食をしっかり食べる「朝型」の食事スタイルは、2型糖尿病や肥満などのリスクを減少するのに有利であることが明らかになっている。 朝食を抜き、その日の最初の食事が昼食で、夕食を食べる時刻も遅い――こうした生活スタイルは、体のリズムを狂わせるおそれがあるという。 食事が「夜型」になっている人は、不健康になりやすいことも示された。夜型になると、食欲を刺激するホルモンである「グレリン」の分泌のピークが遅い時間になり、食べ過ぎにつながりやすいという。 研究では、9人の健康な成人に参加してもらい、(1)食事が朝型(午前8時から午後7時までに3回の食事)と、(2)食事が夜型(昼の12時から午後11時までに3回の食事)の2つの食事スタイルで、8週間を交互に過ごしてもらった。 「食事が夜型になっている人は、全般に生活スタイルが不健康であることも多いのです。食事をするタイミングも、糖尿病や肥満などに関わる代謝と関連しています」と、研究を行ったペンシルベニア大学体重・摂食障害センターのケリー アリソン氏は言う。1日の早い時間に朝食を食べていると血糖値が低下
食事が夜型になると、体重が増加しやすくなり、インスリン・血糖・コレステロール・中性脂肪などの値も高くなり、糖尿病リスクが上昇しやすいことを示した研究も発表されている。 とくに夜遅くに食事をすると食欲が亢進しやすく、睡眠時間が短くなりやすいことも示された。 「1日の早い時間に朝食を食べる食事スタイルをもつ人は、血糖値が低く、インスリン抵抗性も低い傾向がみられました。今後の食事指導に役立てられる情報です」と、ノースウェスタン大学の主任研究員であるマリアム アリ氏は述べている。 研究グループは、米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した1万575人の成人のデータを解析し、毎日の食事の開始時間によって6つのグループに分けて比較した。 血糖値を下げるインスリンが働きにくくなるインスリン抵抗性がもっとも少なかったのは、朝食を食べはじめる時間が午前8時30分より前のグループだったという。1日3食を規則正しく食べるのが健康的
「1日1食」や「朝食抜き」は不健康
この研究は、米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した、40歳以上の米国成人2万4,000人以上を対象に、1999年~2014年に調査したもの。 「食事の量を減らすために、食事の回数を減らしたり、絶食をする期間を設けるといった食事スタイルが健康的という記事や宣伝をみかけることが増えています」と、テネシー大学健康科学センター予防医学部のヤンボ スン氏は言う。 「しかし今回の調査では、食事は毎日3食を摂るのが、多くの人にとってもっとも健康的という結果になりました」。 「とくに1日に1食のみ食べている人や、朝食を抜く習慣のある人は、1日3食をきちんと食べている人に比べて不健康であり、死亡リスクはむしろ上昇することが分かりました」としている。3食を摂ると栄養やカロリーのバランスが良くなる
必ず1日に3食を摂らなければならない理由はよく分かっていないが、栄養やカロリーのバランスを良くしようとすると、2食以下では難しくなるという。 また、食事の回数を減らすと、1回の食事でカロリーを集中して摂ることになり、とくに糖質を摂り過ぎると、グルコース代謝の調節が難しくなる。 食事の摂取カロリーを減らすために、栄養バランスをとりつつ2食に抑えている人もいるが、朝食を抜くと1日代謝が落ちたり、疲労感が出てくるおそれもある。 「食事の回数は減らさないようにして、1日でもっとも高カロリーになりがちな夕食の量を減らすなどの工夫をすることをお勧めします」と、スン氏は指摘している。食事と食事のあいだに時間間隔を空けることも大切
調査では、1日3食を食べている人でも、食事の時間の間隔が4.5時間以内で、連続して食べていると、全死因による死亡リスクが17%高くなることが示された。食事の間隔を5.5時間以上空けている人では、死亡リスクの上昇はみられなかった。 食物が胃にとどまって消化される時間はおよそ2~3時間、肉や揚げ物など脂肪が多い食物になると4~5時間とみられている。 食物を消化し吸収する時間を考えると、食べる時間帯にも気を付けて、3食の間隔はなるべく4~5時間くらい空けるのが良さそうだ。 たとえば、朝食を8時に食べたのなら、昼食は12時過ぎ、夕食は5時過ぎに摂るのが良いということになる。夜の8時に夕食を摂ると、時間が空き過ぎてしまう。 「米国の食事ガイドラインでは、食事の間隔についてはふれられていません。ガイドラインでは、主に食品の栄養や組み合わせに焦点をあてているからです」と、アイオワ大学公衆衛生疫学部のウェイ バオ氏は言う。 「食事と食事の間隔は4~5時間空けて、食べる量もできるだけ3食に均等に分けて調整すると、血糖値を下げるインスリンの働きを十分にえられるようになり、血糖値が高くなりやすい人でも血糖管理をしやすくなると考えられます」としている。 Timing Meals Later at Night Can Cause Weight Gain and Impair Fat Metabolism (ペンシルベニア大学 2017年6月2日)Penn Researchers Awarded $3.75 Million to Study How Mealtimes Influence Human Health (ペンシルベニア大学 2017年10月26日)
Eating before 8:30 a.m. could reduce risk factors for type 2 diabetes (米国内分泌学会 2021年3月18日)
6 Tips for Better Breakfasts (栄養と食事のアカデミー 2020年9月2日)
Associations between Timing and Duration of Eating and Glucose Metabolism: A Nationally Representative Study in the U.S. (Nutrients 2023年2月1日)
Food for thought: If you eat and when you eat can impact your mortality (Elsevier 2022年11月22日)
Meal Skipping and Shorter Meal Intervals Are Associated with Increased Risk of All-Cause and Cardiovascular Disease Mortality among US Adults (Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 2022年8月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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