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2022年05月13日

インスリン治療が必要になった糖尿病患者さんに「希望のバッグ」を贈ります 日本IDDMネットワーク

[提供:認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク]
 認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」は、発症してまもない1型糖尿病患者さんやその家族、インスリン治療が必要となった2型糖尿病患者さんやその家族を対象に、「希望のバッグ」を無償で提供している(送料のみ利用者負担)。

 「希望のバッグ」の申込みは、同NPO法人のサイトで受付けられている。個人で申込めるほか、医療機関や行政機関などを対象にサンプルも配布している。

糖尿病患者さんやその家族の療養生活をサポートするグッズを1つのバッグに

 認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」(井上龍夫理事長)は、1型糖尿病を中心に、インスリン療法を行っている糖尿病患者さんへの支援や、糖尿病の新たな治療法の開発を目指す研究への助成などの活動を展開している。

 同NPO法人で提供している「希望のバッグ」は、1型糖尿病向けと2型糖尿病向けの2種類があり、無料で申し込める(送料のみ利用者負担)。対象となるのは、1型糖尿病を発症してまもない患者さんやその家族、インスリン治療が必要となった2型糖尿病患者さんとその家族などだ。

 糖尿病に対する正しい知識や理解、インスリン治療についての必要な情報、糖尿病専門医による分かりやすい解説などをまとめた冊子や、療養に役立つツールなどが、1つのバッグにコンパクトにおさめられている。

 インスリン治療に関連する製剤・機器などの一覧や、患者・家族の体験談なども用意されており、糖尿病の患者やその家族の、療養生活をサポートするためのグッズが幅広くそろえられている。バッグだけでなく中身も含め、災害時に持ち出す非常用ツールとしても活用できる。

糖尿病患者の不安や孤独を、同じ仲間として少しでもやわらげたい

 認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」は1型糖尿病患者・家族向けに2014年に「希望のバッグ」プロジェクトをスタートし、2017年からはインスリン治療が必要な2型糖尿病患者・家族に対象を拡げた。

 この「希望のバッグ」について、糖尿病専門医からは、(1)インスリン注射は特別なことではないと気付かせる情報がたくさん入っている、(2)小児患者さんが立派に注射をしているのを紹介している資料もあり、注射に対して抵抗感のあった人は勇気づけられる、(3)ご家族にとっても、患者さんの注射を受け入れやすくなる情報が入っている、患者さんやご家族からは、1人ではなく仲間がたくさんいることが分かる、といった声が寄せられている。

 「希望のバッグ」について、同NPO法人では次のように述べている。

 希望のバッグは、1型糖尿病を発症してまもない患者さんやそのご家族が感じる絶望感や孤独感、2型糖尿病の患者さんやご家族がインスリン治療が必要と言われたときに感じる不安感を、少しでもやわらげたいという想いから生まれました。

 1型糖尿病を発症した直後の本当につらいとき、2型糖尿病でインスリン治療を前に戸惑っているときに、同じ仲間としてしっかり支えたいとの想いから立ち上げたものです。

 まずは「正しい病気の理解」と、すぐに「役に立つツール」、そして何より同じ病気の「仲間がいつもすぐそばにいる」ことを知っていただきたいという気持ちが込められています。

対象者:原則として発症後、おおむね1年以内の1型糖尿病患者さんとそのご家族
※医療機関・行政機関などにはサンプルをお送りします。

主な内容:
    ・ 1型糖尿病に関する冊子(専門医によるわかりやすい解説、患者さん・家族の体験談、糖尿病患者さんでも入れる可能性のある保険一覧など)
    ・ インスリン治療に関係する製剤・機器等一覧
    ・ 幼稚園・保育園・学校への説明用パンフレット
    ・ 患者さんの祖父母向けパンフレット
    ・ 注射器や血糖測定器が入るポーチ
    ・ 万一のとき、救急隊員の方々が1型糖尿病であることがわかるストラップ など

詳しくはこちらをご覧ください

対象者:インスリン治療が必要と言われている、またはインスリン治療について知りたい2型糖尿病患者さんとそのご家族
※医療機関・行政機関などにはサンプルをお送りします。

主な内容:
    ・ インスリン治療に関する冊子(専門医によるわかりやすい解説、患者さんの体験談、糖尿病患者さんでも入れる可能性のある保険一覧など)
    ・ インスリン治療に関係する製剤・機器等一覧
    ・ 学校への説明用パンフレット
    ・ 患者さんの祖父母向けパンフレット
    ・ 注射器や血糖測定器が入るポーチ など

詳しくはこちらをご覧ください

イベント開催でも糖尿病とともに生きる人々を支援

 日本IDDMネットワークは、糖尿病について、さまざまなイベントを開催している。糖尿病とともに生きる人々が、療養や日常ですぐに役立てられる知識や情報を知ることができる。医療従事者向けにも、実用的な情報とともに、先進的な研究や取り組みについて最新の情報を提供している。

日時:2022年5月28日(土)14:00~16:00

 日本IDDMネットワークが25年以上にわたり蓄積してきた、1型糖尿病に関するノウハウを活かし、2型糖尿病の患者・家族向けに、インスリン療法をはじめ、治療に対する不安をやわらげ、疑問を解決し、希望をもって生活していけるよう後押しする内容になっている。

日時:2022年6月18日(土)13:00~17:00

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病を「治る」病気に変えるために、日本の最先端の研究を推進している研究者らとともに、先進的な研究を支援する活動を展開している。1型糖尿病の2025年の根治を目指し、広く参加を呼びかけている。
 このサイエンスフォーラムは、同NPO法人の毎年の活動の集大成ともいえるもので、1型糖尿病についての先進的な研究の全体像も分かる内容になっている。

クラウドファンディング・基金・ふるさと納税への参加を呼びかけ

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病の「根絶(=治療+根治+予防)」を一刻も早く実現し、1型糖尿病による生涯の負担から解放することを目標に活動している。

 1型糖尿病は、生きていくのに欠かせないインスリンを産生するβ細胞が攻撃・破壊されることで発症する疾患。原因不明で、小児期に突然発症することが多い。現在の医療では、生涯にわたり毎日4~5回の注射、またはポンプによるインスリン補充が必要となる。

 糖尿病の大半を占め生活習慣病とも言われる2型糖尿病に対し、1型糖尿病の日本での年間発症率は10万人当たり2人程度と希少であり、社会的な認知や理解は十分に得られておらず、患者と家族の精神的・経済的負担も大きい。

 同NPO法人は、こうした患者の負担をなくすことを目指して、1型糖尿病についての最先端の研究を支援するために、さまざまなクラウドファンディングを展開している。これまでに多くの実績を重ねており、広く参加を呼びかけている。

 このプロジェクトは、1型糖尿病を引き起こすウイルスをみつけだしワクチンを開発し、1型糖尿病の発症予防を目指すもの。1型糖尿病はウイルス感染によって引き起こされている可能性がある。

 佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科の永淵正法特任教授らは、どのウイルスが1型糖尿病を引き起こすかを調べ、発症を減らすワクチン開発を目指している。

 1型糖尿病の根治に向け、とくに実現が近いと期待されているのが、「バイオ人工膵島移植」だ。バイオ人工膵島移植は、ヒト移植用に無菌状態で飼育されたブタの膵島細胞をカプセルに閉じ込め、患者の腹腔内に移植する治療法。移植した膵島がインスリンを分泌する。

 この治療法であれば、膵島を大量に安価に入手でき、膵島を特殊なカプセルに封入することで免疫細胞の攻撃を回避できる。1型糖尿病を根治させるための新たな選択肢になる。

 日本IDDMネットワークの活動の財源となっているのは、1型糖尿病の患者や家族、支援者からの「1型糖尿病研究基金」への寄付と、佐賀県庁へのふるさと納税だ。

 ふるさと納税の運営母体は自治体であり、佐賀県庁では日本IDDMネットワークを指定して寄附ができ、税金の控除も受けられ、お礼の品をもらうこともできる。また、認定NPO法人である日本IDDMネットワークへの寄付は、税制優遇の対象となる。

 1型糖尿病の根治治療が1日も早く実現するよう、研究のサポートをする募金への参加を呼びかけている。

 日本IDDMネットワークを指定して佐賀県庁へふるさと納税をすると、寄付額の90%が同法人に寄付される。ふるさと納税の返礼品は、佐賀牛や有田焼など多数に及ぶ。

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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