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2021年08月25日
コンニャクでメタボを予防 コンニャク粉入り粥が中性脂肪を低下 血糖値の上昇を抑制する効果も
- キーワード
- 糖尿病と肥満 糖尿病の検査(HbA1c 他) 食事療法
群馬大学の研究グループが、コンニャク粉入り粥の摂取が、中性脂肪を低下させることを発見した。
中性脂肪の増加は動脈硬化を進行させ、心血管疾患発症へつながる肥満やメタボとも強い関連がある。
過去の研究では、コンニャク粉が食後の血糖値とインスリン値の上昇を抑制することも確かめている。
炭水化物の多い主食にコンニャク粉を混ぜると、食物の胃内の通過時間を延長させ、腸管粘膜での蠕動運動が促されるとしている。
中性脂肪の増加は動脈硬化を進行させ、心血管疾患発症へつながる肥満やメタボとも強い関連がある。
過去の研究では、コンニャク粉が食後の血糖値とインスリン値の上昇を抑制することも確かめている。
炭水化物の多い主食にコンニャク粉を混ぜると、食物の胃内の通過時間を延長させ、腸管粘膜での蠕動運動が促されるとしている。
コンニャク粉が中性脂肪を低下
群馬大学は、コンニャク粉入り粥の摂取が中性脂肪を低下させる効果があることを発見した。さらに、コンニャク粉が、中性脂肪を分解する酵素で、中性脂肪の代謝で中心的な役割を担っているリポ蛋白リパーゼ(LPL)の血中濃度を上昇させることも明らかにした。
研究グループはこれまでに、健常者や糖尿病予備群を対象に行った試験では、コンニャク粉を添加した粥を摂取すると、血糖値とインスリン値の両方の上昇を抑えられることも確認している。
コンニャク粉が中性脂肪や血糖の上昇を抑える理由としては、コンニャク粉が胃内容物の粘りけを高め、食物の胃内の通過時間を延長させ、腸管粘膜での糖質吸収を抑制することが考えられるという。
研究は、群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学・食健康科学教育研究センターの葭田明弘助教、木村孝穂准教授、村上正巳教授らの研究グループによるもの。研究成果は、学術誌「Nutrients」に掲載された。
コンニャク粉により中性脂肪を分解する酵素が上昇
コンニャクは群馬県の特産物だ。コンニャク芋の生産量は全国の80%を群馬県がになっている。コンニャクは100gあたりのエネルギーがわずか8kcalの低カロリー食品で、炭水化物3.3g、脂質0.1g、食物繊維が3.0gが含まれ、コレステロールは0mgだ。
研究グループは今回の研究で、コンニャク粉入り粥の摂取により血中の中性脂肪が低下する効果を確かめ、さらに、中性脂肪代謝の中心的な役割を担っているリポ蛋白リパーゼ(LPL)の血中濃度が上昇することも明らかにした。
LPLは中性脂肪を分解する脂質分解酵素。中性脂肪を分解することで脂肪酸が生成され、これが筋肉や脂肪組織に取り込まれてエネルギー源として使われる。そのため、LPLはエネルギー代謝にも関与していると考えられている。
研究グループは、健常な37~60歳の男性13人のボランティアを対象に、3種類の粥(五分粥、0.4%コンニャク粉含有粥、0.8%コンニャク粉含有粥。いずれも約80kcal)を食べてもらい、摂食前と摂食後30分、60分、120分の時点での中性脂肪と、LPLをはじめとする脂質代謝に関わる蛋白の血中濃度を測定した。
その結果、五分粥にコンニャク粉(0.8%)を加えたことで、五分粥食後30分後以降、120分後まで中性脂肪が低下した。さらに、LPL濃度は五分粥では食後30分後以降、120分後まで低下した一方で、コンニャク粉入りの粥ではLPLの低下はなく、120分後には摂食前と比較して上昇した。
これらより、コンニャク粉の食後の中性脂肪を低下させる作用は、主食と混合することにより強く発揮される可能性が示された。
コンニャク粉を加えた五分粥を摂食前と摂食後30分、60分、120分の時点で検査をした
コンニャク粉を加えることで中性脂肪が低下した
中性脂肪を分解する酵素であるLPLは上昇した
中性脂肪を分解する酵素であるLPLは上昇した
出典:群馬大学、2021年
コンニャク粉でメタボや肥満を抑制
「健常者を対象として行った研究で、通常の粥に比較してコンニャク粉入り粥の摂取により中性脂肪が低下することを確かめました。本研究はコンニャク粉入り粥が中性脂肪を低下させ、リポ蛋白リパーゼ(LPL)の上昇をともなうことを示した初めての報告です」と、研究者は述べている。
これまで、コンニャクを長期間、習慣的に摂取していると脂質代謝が改善するという報告はあったが、摂取後30分から2時間という短時間に中性脂肪が低下する報告はなかった。
中性脂肪の増加は動脈硬化を進行させ、心血管疾患発症へつながる肥満やメタボリックシンドロームとも強い関連がある。「とくに心筋梗塞や脳卒中のような大血管障害は、メタボでも健常人に比べて危険度が大きくなります。健常者からメタボへの移行を予防することは大変重要なテーマです。コンニャク粉がメタボへの移行を抑制して、人々の健康増進に貢献することが期待されます」と、研究者は述べている。
コンニャク粉を開発したグリンリーフは、1990年からコンニャク芋の有機栽培を行っている。コンニャク芋の生産量は全国の90%を群馬県がにない、その約6割が利根郡昭和村周辺で生産されているという。
グリンリーフは、有機栽培のコンニャク、板コンニャク、シラタキ、巻きシラタキなどに加えて、シラタキを麺やパスタに加工したり、コンニャクサラダなどの新しい食べ方を提案している。
群馬大学食健康科学教育研究センターKonjac Glucomannan Attenuated Triglyceride Metabolism during Rice Gruel Tolerance Test(Nutrients 2021年6月25日) グリンリーフ
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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