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2020年10月21日

運動で糖尿病を改善 1日10分間の運動をプラス 厚労省「おうちで+10(プラス・テン)」

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ライフスタイル 運動療法
 運動には、「血糖値を下げる」「体重が減る」「血液の循環が良くなる」「インスリンが効きやすい体になる」という、たくさんのメリットがある。
 食事療法だけで血糖が下がらないという人は、運動療法をあわせて行うと効果を得られやすい。
 厚生労働省は、「プラス・テン」(今より10分多く体を動かしましょう)を提唱し、自宅や職場で手軽に取り組める「おうちで+10超リフレッシュ体操」の解説ビデオなどの公開を開始した。
おうちで+10(プラステン)超リフレッシュ体操
 厚生労働省は、9月の「健康増進普及月間」に合わせて、運動不足の解消や健康意識の向上を目的に、「おうちで+10(プラステン)超リフレッシュ体操」オンラインイベントを開催した。このほど、このイベントの動画と体操の解説動画の公開を、特設サイトで開始した。

 ビデオには、谷本道哉・近畿大学准教授とスマート・ライフ・プロジェクト オフィシャルサポーターの宇賀なつみさんが出演している。「おうちで+10超リフレッシュ体操」と、3種類の「10分間の体操プログラム」の解説ビデオなどを公開している。

 体操な効果的な実施方法や、それぞれにあわせた無理のない身体の動かし方など、運動のポイントを分かりやすく解説している。

「おうちで+10(プラステン)超リフレッシュ体操」特設Webコンテンツ

今より10分多く体を動かそう
 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」を策定し、身体活動と運動に関する普及啓発に取り組んでいる。

 身体活動の重要な指標となっているのはウォーキングの歩数だが、歩数はこの10年間で全ての年齢層で、1日あたり約1,000歩減少している。これをカロリーに換算するとおよそ1日あたり30kcalで、1年間続くと約1~1.5kgの体重増加に相当するので深刻だ。

 1,000歩のウォーキングに相当する運動に要する時間は10分程度だ。そこでアクティブガイドでは、「プラス・テン」(今より10分多く体を動かしましょう)をキャッチフレーズにしている。

 ウォーキングなどの中強度の運動を「18~64歳は1日60分」「65歳以上は1日40分」、少なくとも週に3日以上行うことを目標にしている。
生活の中で時間をみつけ、なるべく体を動かすようにする
 以前は、ウォーキングなどの有酸素運動は30分以上続けて行わないと脂肪が燃えないことから、運動の時間が短いと意味がないと言われていた。

 しかし、体脂肪の解消や健康づくりという視点から、細切れは必ずしも悪くなく、坐ったまま体を動かさずに過ごす時間をなるべく少なくする意識も重要ということが明らかになっている。

 「プラス・テン」で10分歩けば、およそ1,000歩になる。生活の中で時間をみつけ、なるべく体を動かすようにすれば、ふだんの生活でトータルで8,000歩程度に歩数を増やせる。

 糖尿病の人のための運動療法として、ウォーキングなどの有酸素性運動に、筋肉に負荷をかける筋力トレーニングを組み合わせることも勧められている。

 手軽に取り組める筋力トレーニングとして、▽スクワット、▽上体起こし、▽上体反らし、▽腕立て伏せ――などがある。

 加齢に伴って筋肉が減るのを「サルコペニア」(筋肉や心身機能の低下)と呼ぶ。じわじわ進み自覚症状は乏しいが「同じ仕事なのに以前より疲れやすい」「少しの段差につまずく」などが兆候だ。

 「サルコペニア」を予防するためにも、中高年の人が減量をする際には、筋量や筋力が低下しないように注意する必要がある。
「超リフレッシュ筋トレ」を動画で解説
 コロナ禍で家にいる時間が長くなり、運動不足になっている人が多い。そうした人にこそ、室内で簡単に実践できる運動が必要だ。

 「筋力トレーニングは、スポーツジムに行かなくても、自宅でも道具を使わずに手軽に行えます。そうした筋トレであっても、筋肉にしっかりと効いてきます」と、谷本氏は言う。

 「おうちで+10(プラステン)超リフレッシュ体操」では、それぞれ3分程度で行える「超リフレッシュ体操」「超リフレッシュ筋トレ」「超リフレッシュキックボクササイズ」を、谷本氏の実演による解説動画と実践動画をあわせて公開。

 後半のQ&Aコーナーでは、1日10分間の身体活動をプラスするコツやモチベーションを維持する方法も解説している。

おうちで+10超リフレッシュ体操 オンラインイベント

おうちで+10超リフレッシュ体操 超リフレッシュ体操(解説篇)

おうちで+10超リフレッシュ体操 超リフレッシュ筋トレ(解説篇)

糖尿病の人は食事療法だけでは不十分
運動療法を加えると効果が増す

 脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積すると考えられてきたが、それ以外の肝臓、筋肉、膵臓などにも第3の脂肪ともいうべき「異所性脂肪」として蓄積し、インスリン抵抗性やインスリン分泌に関わっていることが研究で示されている。

 スポートロジーについての先駆的な研究を発表している順天堂大学国際教養学部の田村好史教授(スポーツ医学・スポートロジー准教授)の研究によると、「異所性脂肪」がたまると、2型糖尿病やメタボリックシンドロームが悪化しやすくなる。

 加齢にともない筋肉が減ると、基礎代謝も低下して、脂肪が体につきやすくなる。「異所性脂肪」が増えると、インスリンがうまく作用せず、糖を取り込みにくい体質(インスリン抵抗性)になりやすい。

 筋肉トレーニングで筋肉の量を増やすことも必要。40~50歳代までに運動を習慣化して欲しいと、田村教授はアドバイスしている。

 また、糖尿病の治療では、食事と運動の両輪がそろうとはじめて効果を得られるようになる。食事療法だけでは血糖が下がらないという人は、運動療法をあわせて行うことが重要だ。

 田村教授らが糖尿病患者を対象に2週間行った研究では、カロリー制限した食事療法だけでは「脂肪筋」はあまり減らなかったが、食事に運動療法を加えると「脂肪筋」は19%減少し、インスリン抵抗性も57%改善した。

 食事・運動療法を続けることで、「異所性脂肪」を大きく減らし、インスリン抵抗性も改善できる可能性がある。

順天堂大学 大学院医学研究科 スポートロジーセンター
Effects of Diet and Exercise on Muscle and Liver Intracellular Lipid Contents and Insulin Sensitivity in Type 2 Diabetic Patients(The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2005年6月1日)

スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省 健康局 健康課)
[ Terahata ]

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