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2019年06月27日
夜間に照明やテレビをつけたまま寝ると肥満になりやすい
睡眠時には、部屋の明かりを消して暗くすることで、肥満リスクを軽減できる可能性があるという研究が発表された。
就眠時に照明やテレビ、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子機器をもちこまない習慣を身につけることが必要だ。
就眠時に照明やテレビ、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子機器をもちこまない習慣を身につけることが必要だ。
睡眠など生活スタイルが体重増加に関連
部屋で明かりをつけっぱなしにしたり、テレビを見ながら眠ることが、体重増加や肥満のリスクを高めている可能性があるという研究を、米環境衛生科学研究所(NIEHS)が発表した。
この研究は、夜間の人工光への曝露と女性の体重増加との関連性をはじめて明らかにしたもので、詳細は米国医師会が発行する医学誌「JAMA Internal Medicine」に発表された。
食事や運動などの生活スタイルは体重コントロールに密接に関連している。世界では1970年代から肥満の割合はおよそ3倍に増えており、米国人の70%は肥満か過体重だと推定されている。個人的要因と社会的要因が複雑にからみあい、肥満の増加に影響している。
食事と運動が肥満の増加に影響することは、すでに多くの研究で報告されているが、最近の研究では遺伝的要因や睡眠などの影響も指摘されている。
関連情報
電灯をつけっぱなしで寝る女性は肥満リスクが上昇
研究は、国立環境衛生科学研究所が実施している、環境リスク要因と乳がんの発症との関連について調査しているコホート研究「シスター研究」に参加した、4万3,722人の女性(35~74歳)を対象に行われた。
参加者はがんや心血管疾患の既往歴がなく、夜勤や昼間の睡眠障害、妊娠した女性は含まれていなかった。質問票で、夜間の睡眠時に部屋の明かりやテレビをつけっぱなしにしているかを聞き、5年間の体重の推移や健康状態について調査した。
その結果、寝室でテレビや電灯をつけっぱなしにしている女性は、睡眠中に部屋を暗くしている女性に比べ、5年間で体重が5kg以上増えるリスクが17%上昇し、BMIが10以上増えるリスクが13%上昇した。
人工光の光源は、室内用照明や常夜灯、テレビ、時計付きラジオ、窓から差し込む街灯の光などさまざまだった。
夜間の照明やテレビが健康に影響
夜は部屋を暗くして眠るのが良い
研究には限界があり、睡眠時の環境は自己申告にもとづき調査しており、また女性が室内で明かりをつけて眠るのを好む理由は不明で、そうした習慣が経時的に変化している可能性もある。
「今回の研究は決定的なものではないにしろ、これまでの研究より明確なエビデンスを提示しています。良好な睡眠を得るために、照明やテレビを消して、スマートフォンなどの電子機器にさわらないようにし、部屋を暗くして眠ることをアドバイスするのは理にかなっています」と、パーク氏は言う。
「就眠時に照明やテレビ、電子機器をもちこまない習慣を身につけるのは意外に難しいかもしれません。家族が照明をつけたままにしている場合や、密集した住宅地に住んでいる人は、部屋の外の明かりの量をコントロールするのが難しい場合もあります」と、パーク氏は付け加えている。
「保健指導に携わる医療従事者は、人々の個人的な住環境に加えて、社会的環境の影響にも配慮する必要があります」と指摘している。
研究チームは、住環境が体重に与える影響や、人工照明が高血圧や2型糖尿病などと関連しているかを、今後の研究で調査する計画をたてている。
Sleeping With Artificial Light at Night Associated With Weight Gain in Women(米国立環境衛生科学研究所 2019年6月10日)Association of exposure to artificial light at night while sleeping with risk of obesity in women(JAMA Internal Medicine 2019年6月10日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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