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糖尿病3分間ラーニング
インフルエンザの予防接種は効果的 糖尿病の人に必要な5つの対策
2015年11月27日

 風邪やインフルエンザに注意が必要な季節になってきた。糖尿病の人は、インフルエンザに対しとりわけ注意が必要だと、専門家は注意を呼びかけている。
ワクチン接種でインフルエンザに対策
 インフルエンザは例年11月上旬頃から発生し始め、その後1月下旬から2月にピークを迎えた後、4月上旬頃までには流行が終息する。日本では毎年1,000万人以上がインフルエンザを発症しており、近年は流行期間が広がっているともされている。

 インフルエンザ対策として、有効な手段のひとつがワクチンの接種だ。季節性インフルエンザワクチンでは、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した(13歳未満の場合は2回接種した)2週後から5ヵ月程度までと考えられている。

 特に、高齢者や糖尿病などの基礎疾患をもつ人には予防接種が勧められている。糖尿病の人は血糖コントロールが良くない状態が続くと、インフルエンザなどの感染症に対する体の免疫機能が低下している場合がある。

 このワクチン接種は今シーズンから流行拡大を防ぐために改良がされ、料金が上がった。これまでは3種類が含まれたワクチン(3価ワクチン)だったが、近年、インフルエンザB型が流行し2系統のウイルスが混合していることから、4種類が含まれるワクチン(4価ワクチン)が導入された。

 今シーズンの季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA/H1N1型(インフルエンザH1N1と同じ亜型)、A/H3N2亜型(いわゆるA香港型)、B型(山形系統)、B型(ビクトリア系統)が含まれる4価ワクチンだ。

医師の9割以上がワクチン予防接種を推奨
 ワクチンは、この発症を抑える効果については一定程度、認められており、65歳未満の健常成人で、約45%の発症予防効果があり、約80%の死亡を阻止する効果があるとの報告がある。

 医師向け情報サイト「m3.com」が医師2,685人に対して行った調査によると、医師の92.1%がワクチンを「接種済み」、または近く「接種予定」と回答。94.7%が患者にワクチン接種を推奨すると回答し、うち61.7%が「ほぼ全員に接種を勧める」と回答した。

インフルエンザワクチンの価格が上昇
 インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されている。インフルエンザの予防に充分な免疫を保つためにはワクチン接種を毎年受けた方が良い。

 自治体の調査によると、インフルエンザ予防接種の全国の平均価格は3,200〜5,000円、前年に比べ500〜1,000円値上がりしている。値上げの主な原因は、ワクチンが3価から4価に変更されたことに伴い、ワクチン納入(仕入れ)価格が上昇したことだ。

 65歳以上の人は予防接種法にもとづく定期インフルエンザ予防接種の対象者だ。市町村によっては65歳以上の人の接種を公費負担で行っているが、自己負担分が増える可能性がある。

 自治体などによると、納入価格は昨季の1.5倍。65歳以上の高齢者など、予防接種法で接種が推奨された人の自己負担を増額する自治体が多い。

 高齢者以外は任意接種であり、小学生の接種の公的補助のある自治体は多いが、親からは「子どもは2回接種が必要。出費が痛い」という声が上がっている。

インフルエンザを予防するための5つの対策
 インフルエンザにかかる発端はインフルエンザウイルスが体の中に入ってくることだが、これをワクチンで防ぐことはできない。まずウイルスを近づけないように手洗いやうがいなどが重要になる。

 体内へ入ったウイルスは細胞に侵入して増殖する。ウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が引き起こされる。

 インフルエンザを発症すると、多くの場合で1週間程度で回復するが、なかには肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院治療を必要とする人もいる。特に高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある人では重症化する可能性が高いと考えられている。

 インフルエンザを予防する方法として、ADAは以下をアドバイスしている。

・ 外出後の手洗い
 手洗いは手指など体に付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず感染予防の基本となる。また、外出後の手洗い、うがいは一般的な感染症の予防のためにも勧められる。

・ 適度な湿度の保持
 空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなる。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50〜60%)を保つと効果的だ。

・ 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけよう。

・ 人混みや繁華街への外出を控える
 インフルエンザが流行してきたら、特にご高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある人、疲労気味、睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えよう。やむを得ず外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度の飛沫などを防ぐことができる不織布製マスクの着用がひとつの防御策となる。

・ 体重を毎日はかる
 減量のための対策をしていないのに体重が急速に減っている場合は、高血糖が疑われる。すぐに医師に相談しよう。
インフルエンザにかかった時は、通常よりも血糖コントロールに注意が必要
 ADAによると糖尿病の人は風邪やインフルエンザにより、血糖コントロールが乱れやすくなる。体調を悪くすることで、規則的に食事をとりにくくなり、血糖値に影響がでるおそれもある。

 「インフルエンザと診断された場合は、血糖自己測定の頻度を増やす必要がある場合がある。インフルエンザのために疲れを感じている場合は、低血糖と高血糖の症状が起こりやすくなります」と米国糖尿病学会(ADA)のデビー ジョンソン氏は述べている。

 「発症後は薬の量を調節しなければならない時もあります。また、自己判断でインスリン注射を中断するのは非常に危険です。対処の仕方が分からなければ主治医に連絡する必要があります」と強調している。

こんなときは迷わず診察を受けよう
 風邪やインフルエンザのために食事をできない時間が6時間を越えたり、嘔吐してしまう場合は、医師による緊急のアドバイスや治療が必要となる。

 また、39度以上の高熱、60mg/dL未満の低血糖や300mg/dL以上の高血糖、または、息が苦しい、下痢をしている、心臓の鼓動が異常に早いなどの強い自覚症状がある場合も、迷わず医師の診察を受けよう。

 また、症状が重くなっていく、またはなかなか良くならない、過度の眠気がある場合も緊急の治療が必要となる場合がある。

インフルエンザ流行状況の最新情報
 インフルエンザの流行状況などについての最新情報を下記ページで知ることができる。

 厚生労働省は、「今冬のインフルエンザ総合対策」ページにインフルエンザ発生状況等(発生動向情報、インフルエンザ様疾患報告情報など)を逐次掲載し、更新している。流行状況をふまえた対策の実施に役立てられる。

厚生労働省からの毎週の報道発表
 以下の情報について、毎週、原則として金曜日に報道発表する。

[インフルエンザに関する報道発表資料]
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html

インフルエンザ定点報告情報
各都道府県が選定した全国約5,000か所のインフルエンザ定点医療機関から報告されるインフルエンザの発生状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、提供・公開している。

(1)インフルエンザ様疾患発生報告(学校休校情報)
全国の保育所・幼稚園、小学校、中学校、高等学校等においてインフルエンザ様疾患による学級・学年・学校閉鎖が実施された場合に、その施設数およびその時点においてインフルエンザ様疾患で休んでいる学童等の数を、各学校等および各都道府県教育担当部局の協力にもとづき収集し、提供・公開する。

(2)インフルエンザ入院患者情報
各都道府県が選定した全国約500ヵ所の基幹定点医療機関から報告されるインフルエンザの入院患者の状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、提供・公開する。

[インフルエンザ流行レベルマップ]
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-map.html
インフルエンザ流行状況の注意報・警報を地図上に表示し、注意喚起を行っている。

インフルエンザ(厚生労働省)
Flu and Pneumonia Shots(米国糖尿病学会)

[ Terahata ]
カテゴリー :2015年    糖尿病の検査  糖尿病合併症  

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