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2014年03月25日
日米の運動ガイドラインの違い 米国は脈拍測定の重要性をより強調

ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動によって、肥満や高血圧、高血糖、インスリン抵抗性などを改善できる。運動の効果を引き上げるために、脈拍測定が有効だ。
運動中に脈拍数(心拍数)をはかることは、世界の運動ガイドラインでは標準になっている。米国疾病予防管理センター(CDC)が公表している運動ガイドラインでは、運動中に脈拍数をはかることが勧められている。
ガイドラインでは、全ての成人で運動不足が好ましくないと強調し、運動量を増やす工夫をすることを勧めている。具体的に、(1)「中強度の適度な運動を週に150分」、あるいは(2)「強めの運動を週に75分」行うことが目標だ。(1)と(2)を組み合わせると、効率良く運動ができる。
米国糖尿病学会(ADA)、米国心臓学会(AHA)、英国糖尿病学会(Diabetes UK)、英国民保健サービス(NHS)などは、いずれも運動の強度をはかる手段として、脈拍の測定を推奨している。
こうした動きをうけ、米国では「脈拍数をはかりながら運動を行うのが効果的」と広く認知されている。多くの種類が脈拍計が販売されており、通販サイトの健康関連グッズの上位を占めている。
安静時の心拍数から最大心拍数に至るまでの50〜70%程度の脈拍を維持しながら運動を続けるのが効果的な運動と定められている。
運動中に脈拍数をはかることで、何が分かるのだろうか?
運動すると脈拍数が上昇することはよく知られている。もちろん増加の程度は人それぞれ違うが、脈拍数の上昇が運動強度の上昇に比例することが分かっている。
運動中の脈拍数が分かれば運動の強度が分かることになり、反対に、指定された強さの運動をしたい場合には、その脈拍数を目安に運動をすれば達成できるようになる。


運動をすると、血糖値が高くなっている人では、血糖値が低下し、インスリンの働きが改善する。糖尿病の人が運動をすると、実際に血糖値がどれだけ下がるかを実験してみた。運動をすることで、確実に血糖値が下がることが明らかになった。
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腕時計型には大きく2種類のタイプがあり、1つは、センサーを胸部に装着し脈拍数を機器で確認するもの、もう1つは、手首に巻くだけで脈拍測定ができるリスト型脈拍計だ。
リスト型脈拍計は、脈拍センサーの技術を進化させることで、手首のみで脈拍測定ができるようになっている。
運動中は交感神経の働きが高まり、脈拍数が上昇する。運動の強度があまり高くなりすぎると、心臓に対する負担が高まり、特に心臓病などの持病がある人では、心血管系の事故の危険も高まるおそれがある。脈拍測定を行うことは、無理せず運動を長続きさせるためにも有効だ。
ただ、脈拍数が必ずしも全てではないことも注意する必要がある。例えば、病気の治療薬の中には、「脈拍数の上昇を抑える」ものがある。この場合は、脈拍数を運動強度の指標として用いることができない。特に、中高齢者では服薬している人は多いので注意が必要となる。
運動を安全かつ効果的に行なうために、脈拍計はとても有用なツールだ。ただし、本当に有用なものにするためには、まず、どれくらいの強さの運動が適正なのかを知ることも大切だ。「運動負荷テスト」などを行い、主治医に運動処方を作成してもらうといっそう効果的だ。
Target Heart Rate and Estimated Maximum Heart Rate(米国疾病予防管理センター)
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